第3話

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2022/03/22 05:50

? side
(最初は独占欲と優越感だった。しっかりものの彼が自分を頼り、自分だけにしか泣いている姿を見せないことに喜びを感じた。自分がいなければ何もできないくらいにしてやろう、そう思った。だけど彼と仕事以外も一緒にいるようになって彼の知らない部分が少し見えた。
本当はとても怖がり。家で彼が企画等を考えているところを見たことがある。これでいいかな大丈夫かなと言いながら、ノートにネタを書いていた。時折ペンをぐっと握っている姿も見えた。何度もだしているのにいつもこんなに不安だったのかと思った。
視聴者のコメントを意識し、動画の参考にする人でもあった。ただそれが彼自身を追い詰めてしまう原因になっていたことを知った。自分が遅く帰ってきたとき、彼が1人でぶつぶつ独り言を言っていた。彼は、「自分の発言のこういうところがダメだった 」とか「自分が話題の振り方が良くなかった 」とか「メンバーの誰々が言われているのは、自分がリーダーとして言わなかったから 」とか、まだ自分のことはわかるとして、他のメンバーの仕事や行動のことまで、自分事のように考え、悩んでいた。
あととても素直な人だと思った。というよりも、一度「信用した相手」から「信頼する相手」に変わるのが早すぎる。いくら3、4年の付き合いだからって信じるの早すぎじゃないかとは思った。まあ、前からメンバーの話割とすぐに信じたり、警戒心ゆるゆるだなとは思ってはいたけどね。
そういう仲間思いで怖がりで素直で純粋な彼を見て、こんな綺麗な人を自分の願望や欲のために使おうとしてたのかと罪の意識に駆られた。
だから名前のない優しさを与え、罪滅ぼしをする。本当は好きだけど、それは罪を償ったら。
今は壊れてしまわぬよう、傷つかないようにそっとあなたを抱きしめさせて )



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