【卒業式】
「これから、卒業式を始める。」
その言葉が静かな体育館に響き渡った。
そう。今日が卒業式。
泣く人や友達と笑いあってる人…
それぞれがいる。
そんな中俺、桜庭奏は、ずっと恋心を抱いてる幼馴染みである、東堂睦希(男)を体育館裏に呼び出した。
普通なら、この状況では「告白」を思いつくだろう。
俺はドキドキの心臓が、睦希に聞こえないように、深呼吸をした。
緊張のせいか、ここに呼び出してこれ?という話題を持ち出してしまった…
これは酷すぎるぞ…
これが最後だ──…。
お前のその笑顔が見られただけでも幸せだよ。
「ありがとう」はこっちのセリフだっての…っ
これで、セフレ関係も終わりだし、俺の恋心も終わった。
─「叶わない恋」っていうのは……嘘かもな。
〜END〜
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。