パァーン
クラッカーの音が教室に響く。
夜刀神の言葉にさしすはドキリ、と緊張する。
ちょっと待っててね、と言われ姿勢よく素直に従う。
ガラガラと開かれたドアの先に勢いよく視線を向ければ……そこには見知らぬ男子2人が立っていた。
...。
案の定、自称夜刀の彼氏達がざわめいた。
五条は叫び、夏油は悲しみ、家入は懐からメスを取り出した。さしすから謎の殺意を向けられた見知らぬ新一年生の男子二人は夜刀神によって隠されてしまう。
うん、救いがない。獲物を狙う肉食獣のような目をした新二年生を夜刀神は軽くいなす。
というわけで今私たちは高専内の桜の木の下でお花見をしている。桜の花びらがひらひらと舞うのどかな光景とは裏腹に新二年と新一年との間で火花が散るような戦いが繰り広げられていた。
前3人は置いといて後2人の言葉に夜刀神は感心する。
久しく感じていなかった善性に夜刀神は泣きそうになった。
新一年生にサンドされるような感じでレジャーシートに腰を下ろした。すると一部からものすごい視線を感じたが無視しておくに限る。
ジィ〜と1年組とイチャつく夜刀神を観察する五条がギャンギャンと吠える。
1年組とイチャつく夜刀たちの間に割って入り問いかける。
一瞬きょとんとした表情をした夜刀神は直ぐに考える素振りをし始めた。
夜刀神の応えにクズ共が遠い目をし始める。
さしずめ「背、縮まねぇかなぁ…」などと考えているのだろう。放っておくのが正解だ。
灰原と七海からは「鍛えるか…」と聞こえたが聞こえないふりをしておく。家入ははぁと息をついて夜刀神を見た。
家入はそう言った瞬間なんだが絶大なフラグを立ててしまった気がしたがそっと知らないフリをした。
いるわけない、いるわけ…ないよね?
しかしこのお花見から10数年後フラグが回収されることを……今は誰も知らない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!