第9話

冬の温泉旅行編一
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2021/02/28 03:04
五条
五条
さっむっ!
雪がパラパラとチラつく中、東京上野駅から電車とバスを乗り継いで五条達は群馬の草津へと降り立った。
夏油
夏油
こっちは随分雪が降ってるんだね…さむっ
家入
家入
早く宿に行くぞ…凍死する
カタカタと震えながら五条と夏油を風邪避けにしながら家入はそう呟いて先程から言葉を発しない夜刀へと視線を向けた。
家入
家入
夜刀も寒がって…夜刀ッ!!?
夜刀神
ねぇ…知ってる?
蛇って変温動物なのよ…( ´ ཫ ` )
家入の視線の先には、ただでさえ真っ白な見た目をさらに真っ白にさせプルプルと震える夜刀神の姿があった。
五条
五条
傑ッ!急いで宿に行くぞ!
夏油
夏油
うん!えっと…確か“ 料亭旅館 つ〇じ亭 ”だっけ?
五条
五条
そうそう!ちょっと奮発したんだよね〜!
家入
家入
そんなことより早くしろ!
夜刀が冬眠しかけてるぞ!
五条がバッと夜刀を抱え夏油が先陣を切って宿へと走る。家入はそれに遅れないように着いて行った。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夜刀神
ふぅー…死ぬかと思った…
ぽかぽかと暖かい部屋にある炬燵の中で丸まって夜刀はご満悦らしい。
五条
五条
蛇神も寒さには弱いんだな…
夏油
夏油
思わぬ弱点だね…
一安心して夜刀がまるまる炬燵にさしすも入りながら会話を弾ませる。
夜刀神
弱点っていうわけじゃないよ〜、冬眠状態に入ったら殺せなくなるからね!悟とは違うけど無敵な状態になるの!
炬燵の上にあるみかんを手でむきながら夜刀は答える。
神様に弱点といった弱点はあまりないのだ。
神様だからね!
家入
家入
でも寒いのは…?
夜刀神
苦手〜!
そう言って夜刀は家入に抱きつく。
夏油
夏油
観光は…諦めた方がいいかな?
五条
五条
確かに外出る度ああなってたら観光なんかできねぇもんな…
夜刀は五条と夏油の会話に家入に抱きついていた手を解き二人に詰め寄った。
夜刀神
それなら大丈夫!身体中に貼るカイロ貼って着込んでいけば大丈夫だから!せっかく3日もお休み取れたんだし…みんなで色んなもの見て回りたいでしょ?
ね?と必死で懇願してくる夜刀にクズ2人は折れる。
「絶対に無理をしないこと」を条件にわかった、と了承すれば2人の視界が黒で塗りつぶされた。
夜刀神
わーい!ありがとう!
むぎゅう、と顔面に感じる道の感触にクズ2人は宇宙を背負う。なにこれ、なにこれ…柔ら、かい?いや、癖になる弾力…これは!
五条
五条
おっ!!!
夏油
夏油
ぱいッ!!
家入
家入
タヒね
その言葉を言った瞬間クズ2人の頭に家入による鉄拳が振り落とされた。
五条
五条
ハグは人類を救う…
夏油
夏油
ハグしか勝たん…
家入
家入
おーおー、もう一発欲しいようだなクズ共
床に倒れ込んで顔を覆い隠してヤバいを連呼する夏油と未だに夜刀から離れようとしない五条に家入がもう一発食らわすまで…あと1秒。
床には大きなたんこぶをこさえたクズ2人が転がり家入はそんな2人を見下ろしながらハッ、と吐き捨てた。
夜刀神
ん〜…なんかごめんね
家入
家入
何に謝ってんの?てかそろぼちお昼ご飯の時間じゃない?お昼食べたあとどうするか計画立てよ〜!
床に転がったままのクズを放って家入は夜刀と一緒に掘りごたつ式の炬燵で宿が提供してくれるお昼ご飯を待った。

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