お花見で親睦を深めてしばらくした夏の日。
五条、夏油、夜刀神に任務が入った。
その任務で女の子を護衛しながらなんやかんやあり何故か私たちは今、沖縄にいる。
そして夜刀神はダウンしていた。
蛇とは変温動物であり周りの温度によって体温が変わる生き物なのである。
あーんと口を開いて待っていると理子ちゃんは少し戸惑いながらもスプーンにかき氷を乗せて食べさせてくれた。
何この子優しぃ…しゅき♡
のそりと起き上がり羽織っていたパーカーに手をかける。
ジィーとファスナーを開いて脱いで畳んで黒井さんの隣に置いてもらう。さぁ、泳ぐか!
ぐいっと五条の手を引っ張り海へと駆け出しそうとしたが五条が石のように固まっていて動かせない。
くるりと振り返って五条を見た瞬間、夜刀神は叫んだ。
なんと振り返った先には鼻血を吹き出し血走った目でこちらをガン見する悟がいたのだ。
振り払おうにも離れない五条に夜刀神も恐怖を覚える。
海に行くって聞いたから水着を用意して置いたのだがダメだったのだろうか?デザインが古いのかな?などと考える。
え?何この子、水着姿見て真っ白なビーチを真っ赤にするほど鼻血出したの?どんだけ飢えてんの?そのルックスなら女の子なんてよりどりみどりでしょうに…ハッもしかして遊び方分からないのかな?
と考えること間0.5秒、夜刀神は落ち着きを取り戻す。
あ認めるんだ、と思いながら夜刀神はん〜?と頭を捻る。
理子ちゃんは冒頭の方から黒井さんに耳を塞がれていたために絶対零度なこの空気感を理解できないのか戸惑いながらキョロキョロと夜刀神達を交互に見つめている。
明らかにキレている最強2人に連行され海に入りお気の方まで泳いで行く。黒井さんの耳栓から開放された理子ちゃんの声が聞こえた気がするが今更戻れる訳もなく怒る2人を落ち着かせるためにも夜刀神はお気の方へと泳いだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。