第11話

冬の温泉旅行編〜夜の話〜
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2021/03/02 09:41
温泉を楽しんだ一年ズ&神様の一行は旅館で貸し出される浴衣に身を包み晩御飯の時間になるまで日の暮れた街を歩いていた。
家入
家入
夜刀ぉ〜?お菓子はダメだよ?
晩御飯抜きは嫌でしょ?
夜刀神
う゛っ゛…でもこんなに美味しそうなんだよ?この子達も私に食べられたがってるっ!
うるっと瞳を潤ませてそう言えば家入を始めクズ2人もほわりと気が緩む。
五条
五条
それは確かに…俺、夜刀に食べられた〜い♡
夏油
夏油
私は逆に食べさせたいね
家入
家入
うっせぇわ、タヒねクズ
流れるような下ネタを放つクズ2人に家入がすかさず鉄拳を落とした。痛みに悶えるクズ2人を放置しつつ家入は心を鬼にして夜刀の食べ歩きを禁止した。
夏油
夏油
そろそろ戻った方が良さそうだよ
夏油が腕時計を見ながらそう言い夜の街探索は幕を閉じた。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


昼間と同じようにえげつない程の料理を腹にしまい込んだ夜刀は神様パワー(四次元ポケット)から樽酒を取りだし浴びるように飲んでいた。
夜刀神
ッ…たはぁ〜!
一日の締めはやっぱりお酒に限るわ〜!
ンきゅンきゅ、と体にアルコールを入れていく夜刀の横には同じく酒をグビグビと飲み込む家入の姿があった。まるでダイ〇ンの掃除機みたいだ。
夏油
夏油
悟は絶対飲むなよ…これ、すっごい強い
夜刀の酒の強さにうっ、と口元を手で抑える夏油は五条の前に置かれたグラスをヒョイっとかっ攫う。チューハイ3%で酔う五条がこれを飲んだら多分タヒぬ。
そしてお気づきだろうか?
なんと夜刀以外未成年飲酒なのだ。
今更すぎてもうツッこむ気力もないが明日地獄を見るのだけは避けたいため夏油はグラスに手を伸ばそうとした五条からグラスを遠ざけたのだ。さすがママン。
五条
五条
酔わねぇって!大丈夫!
五条から遠ざけたグラスは阿呆な五条によって再び五条の手に戻ってしまった。夏油がしまった、と思った時にはもう遅く五条はグラスの中身を一気に煽ってしまった。
夏油
夏油
あっ…
五条
五条
ほら、ぜんぜん酔わねぇだr…
ビタンっ、先程まで元気だった五条は一瞬のうちに机とkissをかました。そんな五条を見ながら夏油はチベスナ顔になるしかなかった。
家入
家入
おいクズ…まさかそいつに飲ませたのか?
夏油
夏油
違う…いや違わないけど、
悟が勝手に飲んだんだよ
夜刀神
あれ〜?悟くんは酔っちゃったのかなぁ?ヒック
うふふ〜♪かぁわいいねぇ♡
未だ机とkissをする五条をツンツンとつつく夜刀もなんだか様子が変だ。これはもしかしなくとも…
家入
家入
夜刀も酔ってるんだけど…どうすんの?
酔っ払い2人相手は流石に嫌なんだけど?
夜刀神
酔ってな〜い!
ぜんぜん…ヒック酔ってらいもんッ!
夏油
夏油
うん、酔ってるね
ちらりと部屋を見渡せば大きな樽が2個ごろりと転がっている。あれだけ度の強いお酒を樽2個分飲めばこうなるのも頷ける。夏油はウザ絡み(夜刀だからウザくない、むしろもっと絡んできて!)を受けながら頭をひねらせた。
五条
五条
ん、ゥ…
ゆっくりと五条が顔を上げる。
ふわりとした白髪で顔に影がかかり表情は見えない。
五条
五条
やと…?
夜刀神
ん〜?なぁ〜に?
悟くんの夜刀ちゃんだよ〜♪
五条
五条
おれ、の?
夜刀神
そうそう!
悟くんの夜刀ちゃん!
な〜んてね〜♪冗談じょうd…
ぎゅう、五条の腕が夜刀を抱きしめる。
しれっと胸に顔を埋めているところを見ると酔っていないように見えるが、安心してくださいめっちゃ酔ってます。
五条
五条
んふふ…おれのかぁ…チュッ
夏油
夏油
は?
家入
家入
は?
夜刀神
チュッ…ん?
その場にいた五条以外全員が固まった。
なんと五条悟くん…夜刀神様にkissをぶちかましたのである。その一部始終を見ていた夏油と家入はドスの聞いた声で一文字を呟いた。
そして夏油が呪霊を出し五条をぶっ飛ばそうとしたが夜刀によって止められた。
夜刀神
あー!…ダメよ?
ここ公共の場だから、ね?
夜刀神
それより、悟くんは酔ったら可愛くなるのね〜…キス魔になっちゃうんだったらお酒はちょっと控えた方がいいかも、御三家って面倒なんでしょう?
ヨスヨスと五条の頭を撫でつけながら夜刀はそう言う。
五条
五条
キス魔じゃねぇし…夜刀にだけだから、こんなことすんのも…こんなふうになんのも…
酔ってただでさえ真っ赤な顔をさらに真っ赤にして五条はそう言うと「寝る」と言い残して布団が敷いてある部屋へと消えていった。
家入
家入
…ガチじゃん、クズのくせして…こうゆーとこは評価してやってもいい
夏油
夏油
かなわないなぁ…
家入
家入
おいおい、すぐーさん弱音かい?
夏油
夏油
まさか、譲るわけないだろう?
家入
家入
うっわ…気持ち悪っ
夏油
夏油
私への当たり…酷くない?
家入
家入
気のせい気のせい〜♪
五条の夜刀への気持ちのガチさに若干引きつつも2人は感心させられた。酒の力を借りた状態だったがあーゆーことを言うのは恥ずかしいものだ。
家入
家入
てか夜刀…大丈夫そ?
チラリと先程から動かない夜刀を見てみると…夜刀は固まっていた。真っ白な頬を朱色に染め照れを隠すように目を泳がせている。おめでとう五条、結構響いてるよ、と心の中で唱え家入はふっと微笑んだ。
家入
家入
神様だって恋くらいしていいでしょ!
ギリシャ神話とかじゃ神と人間のハーフとかいっぱい居るしさ、夜刀が本気で好きになった人なら私はなんも言わないよ
夜刀神
うん、そうね…でも、恋とか愛とかは要らないかな、本当の姿を偽ってるんじゃ真実の愛もくそもないでしょ?
家入はその言葉にハッとした。
微笑んでそう言った夜刀神から目が離せず「そっか…」と短く返事を返すことしか出来なかった。

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