多分今日が最後の先生の授業
1時間目
ふつーに入ってきてふつーに始まってふつーに終わる
帰り際の先生にちょこっと分からないとこ質問したりもして
そういえばって切り出した
明日から2日間は週末で休み
その次の月曜と火曜は私は入試があるから学校に来ない
その次の日は高校の卒業式だから私たちは休み
その次からは最後の期末試験が始まるから授業は無い
試験が終わった次の日は謎に休みになってて
その次は試験結果返しだから授業はない
その次は卒業式の練習とか誰かの講演会とかでいっぱいで多分授業なんてない
その次の日は卒業式
月曜にもう1回理科はあるらしいけど私は行けないから
もう今日で終わり
先生にそれを伝えると
「え、もう!?マジで!?」
「そうか…そうかぁ…なんかぬるっと終わっちゃったなぁ。」
と苦笑いしていた
もう一生死ぬまで、いや死んでも先生の授業は受けられないんだなぁって思ったらすごく寂しくなった
最後に先生のところに質問に行きたかったけど
今まで何回も言ってたくせにこういう時にコミュ障が出てきて勇気が出ない
一日ずっとモヤモヤして放課後になった
掃除を終えて友達の部室(うちらのたまり場)に言ったら4人の友達が待っていた
「あんたを待っとったんよ!!」
へ?
「先生んとこ行くで!後悔するよ!うちらも着いてってあげるから!」
「うちらも理科教えて欲しいしなー!」
みんなの優しさを噛み締めながら先生のとこに行った…けどおらずまた部室に帰ってきた
しばらくしてまた友達と2人で行って…まだおらず帰ってきた
その更にあとに今度は友達と3人で行って、やっと先生にきくことができた
声をかけたらすぐに気づいて
「お、どうした?」
って来てくれる
私たちのテスト期間には謎にこの期間は先生に質問に行っちゃいけない期間がある
でもあやふやなうえに生徒が猛反対したせいでほとんど形をなしていない
「俺良く知らんのんじゃけど、もう教えちゃいけん期間なんかな?」
私もよく知らないです。
「まあ…いいかw」
そういって教えて貰った
モヤモヤしてた疑問も解決したし
スッキリしたけど
これでもう先生に質問に行くのも最後かぁと悲しくなった
先生に聞いてから部室に帰ってきたら窓越しにみんなが見えた
緊張の面持ちでみんなこっちを見ている
マルッ🙆🏻
とポーズすると
おおっ!とみんなの顔が綻んだ
寂しいけど
ちゃんと行けたから後悔はしてない
背中を押してくれた友達に感謝
卒業式の日には先生に手紙を渡す
出来れば連絡先も交換したいって考えてるけどいけるかな
神に祈るしかない
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。