第43話

卒業
75
2023/03/11 14:19
今日は卒業式

もう先生と会えなくなるんだな



丁寧に書いて準備した手紙をちゃんとファイルにしまい込んで

みんなに書いてもらったプロフィール帳を持って

学校に行く






卒業式が終わって友達と落ち合って

先生のところに向かう


職員室に入ると人はとても少なかった



先生がちょうど出ていくところで

「先生!ちょ、ちょ、ちょっとだけ時間ください!」と声をかけた


「ちょっと?wおっけ。3秒な。」

「無理無理無理!」



そういいながらも来てくれる先生


書いてもらったプロフ帳を出して「年賀状とか手紙とか出したいから住所の続き書いて欲しいですw」って言ったら

「あーwなんかくれるのかと思ったのにw」

って笑う

「渡すものもありますよ!」

そう言って手紙を渡した


「えー!まじであったん?wなんか悪いなw」

とかいいながら

「ありがとう」って頭を下げて受け取ってくれた


住所の続きを座って書き始める先生


「年賀状くれるのはいいけど俺年賀状出さない人よ?」

「じゃあなんかしら高校行ってから限界になったら手紙かメールかしますw」

そんな話をした



書き終わった先生が

「読める?w」

って見せてくる

「…はい!w」



「そういえば先生、このメールアドレスのところ『何かあれば』って書いてるけど、何かあればって例えばどんな時ですか?w」

そう聞いたら

「んー。暇な時とか?w」


って言ってくれた


(心の声)

何それ

暇な時に連絡して来いってこと?


神やんけっ!!





「まあでも…学校用のメールアドレスはあんまり教えてないんだよね。」

「もしあれだったらインスタとかLINEとか…」


そういって先生がスマホを取り出した



「え!!LINE!LINEしたいです!!」


「LINEする〜?」

QRコードを準備してくれる先生


めっちゃ嬉しくて興奮しながらスマホを取り出してLINEを開く私


「でも最近始めたばっかで読み取り方分かんないです…」

そう言ったら

「んー。見せてみ。たぶんホームってとこからいけるよ。」

私がホームを押すと

「ここ押して…ここやな。」

って私の横に来てスマホの画面を押してくれる先生

(心の声)

あの…顔近いっ!!



ちゃんと読み取り画面になって先生の手元のスマホからQRコードを読み取る


画面に表示される先生の名前





「え、やば!!!嬉しすぎるっ!!」

嬉しすぎて素直に言葉に出てしまう


本当は校内でスマホ使っちゃいけないけど

まわりにほかの先生が少なかったのもあって堂々と職員室でLINE交換してたw

「高校行っても理科でわかんないとこあったら送るんで教えてください!」

「分かった、いいよw」





職員室から出て友達のたまっている部室に向かう

(興奮しすぎてほぼガンダッシュ)




部室に入るなり

「LINEゲットォォォォォっ!!」


嬉しすぎて叫んだ





そのあと制服のまま友達とプリを撮りに行った

道中何度もスマホを確認して

LINEの友だちの中に先生の名前があることを確認しては嬉しくなった



通知の欄に「〇〇(先生の名前)と友達になりました」という通知が来てるのをスクショ撮ってみたり


もう夢みたい








家でも先生と喋れるとか

高校からもまだ先生と繋がっていられるとか

まだ先生に変わらず質問できるとか

ボタンひとつ押すだけで通話もできちゃうとか

暇な時に連絡してきていいよ、とか言ってもらえることとか


先生は自分の学校にいる時だけじゃなく、私が違う学校に行っても支えてくれるんだなぁと思ってさらに先生の凄さを感じた




高校からまたひとりぼっちにならないかなとか

進学校だから勉強についていけるかなとか

色んな不安があった私

「先生のLINEを持っている」「困ったら信頼できるあなたのその先生の名字先生に相談できる」

そんな救済ができたことで


少しだけ不安が和らいで安心できた







先生にきちんと感謝が伝えられたし

先生のLINEも教えて貰えたし

友達と大切な時間も過ごせたし

すごくすごく楽しくて幸せな時間だった




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