通路を抜けると、通路が二つになっており、
それぞれ『男』『女』と書かれている。
私は二つの通路の間に、立て札があることに気がついた。
少し前に出て行き、立て札を見る。
そこにはこう書いてあった。
『中にある服に着替えて、先に進め。』
立て札を読んだ人が不思議そうになりつつ、中に進む。
私も中に行くと、そこにあるのは学生服。
何でかを考えながら着替え始めると、不意に誰かが声をかけてきた。
神田蘭と言えば、誰もが知ってるアイドル。
年齢は24歳、服装は私服だ。
蘭さんの首輪には978と刻まれている。
たしか、5位だったっけ…
蘭さんと学生服に着替えて、脱衣場から出るとそこは校舎の前にいた。
皆が出てきた頃にナツキはやってきた。
1分のカウントが始まる。
少しぼっとしていた私は、蘭さんに手を引かれて校舎内に入った。
蘭さんは走って4階まで行くと、まだ誰もいない音楽室に足を踏み入れた。
そして、すぐに人が入ってくる。
8人が入ると、扉は自動的に閉まり、カチャと鍵がかかる音がした。
約30秒後…アナウンスが始まった。
ピンポンパンポーン♪
[1分が経ちました!教室に入れなかった人はここで失格、さよーならー!]
すると、廊下から悲鳴が聞こえた。
すぐにその悲鳴も消えたけど…
[さて、stage2『教室からの脱出』はまずその8人で殺し合いをしてもらって、3人殺してくださいね!]
[制限時間は10分、3人よりも少ない人数しか殺せなかった。また、3人よりも多く殺してしまった。という教室は失格です!]
[では、用意スタート!]
教室の時計が反対周りに動き出し、10分の時を刻み始める。
私は音楽室の中にいる6人の顔を見た。
その中には10代のあの子もいた。
その子は音楽室内の人の顔を見て、何かを
考えているようだ。
他の教室からの悲鳴が廊下を伝って聞こえてくる。
早くしないと…
と言っても誰が死んだらいいの?
そんなことを考えていると一人が動き出した
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。