近くの男子が起き上がった。
自分の首に手をやると金属のような冷たさが私の手に伝わってきた。よく見ると目の前の男子にも首輪みたいな物がついている。
私はその男子に別れを告げ、冬稀を探す。
少しの間探しやっと見つけた。
駆け寄り揺すると冬稀は目を覚ました。
やっぱ、冬稀も聞いたのか…
となるとここにいる人は全員、ゲームの対象に選ばれた人達なのかな?
暫く経ち、部屋の中にいる人が全員が起きた頃にみんなが一斉に天井のスピーカーを見た。私はヘッドホンをつけていたがヘッドホンから[ザザッ…]と聞こえた。
恐らく、スピーカーとヘッドホンには同じ放送が流れている…
すると、気怠そうな男の子の声が聞こえた。
ゲームの進行者…?
私は周りの反応も見る為にヘッドホンを取る
周りがざわめき男女数名が誰もいない天井に向かって叫んでいる。
それでもまだ騒ぐ一人の男子、すると…
肉の焼けるような臭いがしたと思うと、その男子ら口から泡を出しながら倒れた。
その言葉に部屋の中が静かになる。
少し間を置き話し始める。
質問、してもいいかな…?
私は手を挙げた。
一斉に私に部屋の人の視線が集まる。
約ってことは10stageとは言えないのか…
ガチャ……
重い金属音が鳴ると、部屋にあった1つの扉が開かれた。
私と冬稀や他の人は扉の外へと向かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!