ミッション終了まで残り10分。
他に見つけた人にも聞いた結果、ヒントとなる文章が出来た。
『透明の橋の向こう側の階段をのぼる。』
悩んでいると、スマホが鳴り出した。
見ると、蘭さんから。
ということは、あの溝のどこかに透明の橋があったってことに…それよりも…
……ここから10分で行けるの?
現在地点からおそらく走って15,6分。
そこから階段を上るとかもう有り得ない。
言いたいことを言い、電話を切られた。
けど…やるしかない…!
スマホの音声はヘッドホンにも繋がっている
スマホを見るよりも断然、ヘッドホンをつけて走った方が情報も集まる。
そう考え、私はヘッドホンを着けた。
いつも通りの静かな私の世界。
私が住む世界は多分、もう時期壊れる。
この世界の真実。知ることが出来るのなら、私は見てみたい、知りたい。
私はそう呟き走り出した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!