第14話

鬼ごっこ
394
2018/05/29 12:55
あれ…?
千川綾梨
千川綾梨
………人がいない…
神田蘭
神田蘭
え?
及川澪月
及川澪月
言われてみれば、ゲームに参加している人以外見ないね〜
千川綾梨
千川綾梨
いつもなら賑やかでこんなこと
ないのに…
神田蘭
神田蘭
……おかしいね。
千川綾梨
千川綾梨
はい…
及川澪月
及川澪月
ねぇ、見て見て〜
声がした方を見ると、窓ガラスを割っている及川がいた。
千川綾梨
千川綾梨
え…
神田蘭
神田蘭
な、何してるんですか!?
及川澪月
及川澪月
こんなに大きな音を出しても、
警報も鳴らないみたいだから、
この街の機能がストップしているみたいだよ〜
千川綾梨
千川綾梨
どうして……
街の皆は何処に?
お母さん、お父さんは?学校の友達は?
みんな、何処に行ったの…
神田蘭
神田蘭
絶対、おかしいよ…
千川綾梨
千川綾梨
み、みんな逃げたんだよね…?
及川澪月
及川澪月
さぁ?取り敢えずは逃げよ、そうしないと確認をする前に終わっちゃう。
神田蘭
神田蘭
うん…
頷き、走る。
夜も追いかけられ、三日目。
私達が分かったことが2つある。
1つ、鬼は2種類いること
パッと見は普通の子だが、目の色が違う。
男の子は金色、女の子は赤色。
男の子に捕まると、灰になる。
女の子に捕まると、手足をちぎられる。
男の子に捕まるのは即アウトだけど、女の子は捕まっても殺されるまでは逃げるのは可能
その代わり、女の子は集団で襲ってくる。
2つ、このゲーム?はネット配信されてること
ネットで調べると、この街に仕掛けられてる監視カメラと、飛んでいるラジコンが撮影をしているみたいだ。
コメントも来ていて非常にムカつく。
千川綾梨
千川綾梨
今日で終、わり…
神田蘭
神田蘭
もう足が持ちませんよ…!
及川澪月
及川澪月
頑張っていこ〜
千川綾梨
千川綾梨
何であんたはそんなに元気でいられるの…!?
私と蘭さんはクタクタなのに、他人事のように軽々と及川は言った。
神田蘭
神田蘭
あぁ〜!女子軍団が来た!
千川綾梨
千川綾梨
え…
途端に走り出す。が…
千川綾梨
千川綾梨
わっ!!
何故かぽっかりと空いていた大きな穴に私は落ちていく。
何でこんなところに…もうダメかも…
そう思った時、落下する私の体が止まった。
千川綾梨
千川綾梨
え…?
神田蘭
神田蘭
綾梨ちゃん!諦めないで!!
穴から体を乗り出し、私の腕を掴んで踏ん張ってくれている蘭さん。
そして、その蘭さんが落ちないように押さえている及川。
神田蘭
神田蘭
今、上げるから…!もう少しだけ待って…!!
及川澪月
及川澪月
けどね〜、ちょっと危ないかも
神田蘭
神田蘭
え?
及川澪月
及川澪月
女の子軍団が僕達を囲んでじわじわと近付いて来てるんだよね〜
千川綾梨
千川綾梨
嘘でしょ…?
及川澪月
及川澪月
ほんとほんと〜
神田蘭
神田蘭
ど、どうしよう!
言い終わった時、及川のいつもの気ダルそうな表情が一瞬驚きの表情に変わった瞬間を私は見逃さなかった。

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