あれ…?
声がした方を見ると、窓ガラスを割っている及川がいた。
街の皆は何処に?
お母さん、お父さんは?学校の友達は?
みんな、何処に行ったの…
頷き、走る。
夜も追いかけられ、三日目。
私達が分かったことが2つある。
1つ、鬼は2種類いること
パッと見は普通の子だが、目の色が違う。
男の子は金色、女の子は赤色。
男の子に捕まると、灰になる。
女の子に捕まると、手足をちぎられる。
男の子に捕まるのは即アウトだけど、女の子は捕まっても殺されるまでは逃げるのは可能
その代わり、女の子は集団で襲ってくる。
2つ、このゲーム?はネット配信されてること
ネットで調べると、この街に仕掛けられてる監視カメラと、飛んでいるラジコンが撮影をしているみたいだ。
コメントも来ていて非常にムカつく。
私と蘭さんはクタクタなのに、他人事のように軽々と及川は言った。
途端に走り出す。が…
何故かぽっかりと空いていた大きな穴に私は落ちていく。
何でこんなところに…もうダメかも…
そう思った時、落下する私の体が止まった。
穴から体を乗り出し、私の腕を掴んで踏ん張ってくれている蘭さん。
そして、その蘭さんが落ちないように押さえている及川。
言い終わった時、及川のいつもの気ダルそうな表情が一瞬驚きの表情に変わった瞬間を私は見逃さなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。