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第1話

知らない部屋
668
2018/05/05 23:48
千川綾梨
千川綾梨
………。
私は知らない部屋にいた。
何処だここ…
周りを見ると同年代と思われる男女が何人も床に倒れ寝ていた。
壁は石造り、広さは…300人くらいが入って
少し狭いくらいかな?
てか、何でこんなところに私はいるんだろ?
寝る前に何があったんだっけ?
う〜ん…思い出せ、私……















あれは昼休みのこと。
いつも通り随分と平凡で何も無い一日だった
暇潰しにヘッドホンで聞いていたラジオからあの放送が流れるまでは。
私は教室で周りを遮断するようにヘッドホンをつけてお弁当を食べていた。
目の前には椅子を私の机に向けて、お弁当を食べながら何かを私に話しかける冬稀の姿がある。
勿論、ヘッドホンでラジオを聞き続ける私は何を言っているのかが全く分からない。
うるさそうなので諦めてヘッドホンを取る。
千川綾梨
千川綾梨
何。
瀬戸冬稀
瀬戸冬稀
何。じゃなくてラジオ聞かないで何か話そうぜ。
千川綾梨
千川綾梨
めんどくさいもん。
瀬戸冬稀
瀬戸冬稀
へーへー、そうですかー
冬稀は拗ねたように返事をしてスマホを取り出し、ラジオを聞き始めた。
ラジオなら別にいいよね。
そう思い、私は再びヘッドホンをつける。
暫く経つと突然、
[ザザッ……ザッ…]
千川綾梨
千川綾梨
?…
聞いているのは、最近人気が上がっている、放送でクラスのみんなもよく聞いている。
学校で雑音が入ったことは一度も無い。
周りを見渡すが、ラジオを聞いている人にはあまり気にして無いみたい。
ただ一人を除いて…
冬稀だけは不思議そうな表情で自分のスマホを見つめてる
私と冬稀以外には雑音が流れてないの?
そんなことを思っていると雑音が消える。
[貴方は、ゲームの対象に選ばれました。]
は?ゲームの対象?何のゲーム?
不思議に思い前を見ると、冬稀と目が合った
周りを見るが、誰も気にしてない。
やっぱり私達だけに聞こえている…
そんなことを思いながら私の意識は遠のいていったのだ。
















で、今ここにいると。
千川綾梨
千川綾梨
うん、意味分からない。
けど、冬稀も聞こえたならここの部屋の何処かにはいるかもしれない…
そして、私は人を踏まないように避けながら部屋の中を歩き出した。

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