第24話

裏切り者
344
2018/06/15 13:38
この階には様々な施設があり、食堂、銭湯、
ゲームセンター、コンビニ…
自動販売機置き場の近くを通ろうとした時、
話し声が聞こえてくる。
少し近づくと、左右に自動販売機が並んでる所に及川がいる。向かい合った壁側には誰かがいるみたいだった。
千川綾梨
千川綾梨
ねぇ、及か ───
御木真琴
御木真琴
しーっ…
名前を呼びかけた時、真琴に手で口を塞がれ
それを黙って振り払う。
神田蘭
神田蘭
どうしたんですか…?
御木真琴
御木真琴
及川君、話しているのstage3
にいたあの子みたいだから、
ここで盗み聞きしよ…
千川綾梨
千川綾梨
……。
黙りながら覗くと、あの深くフードを被った女の子が壁に寄りかかっているのが見えた。
及川澪月
及川澪月
それで気になってるんだけど…
女子
へぇ…フードを取ってほしい
ってことかな?
及川澪月
及川澪月
うん〜
女子
やだ、って言ったら?
及川澪月
及川澪月
力ずくでも…
ドンッと音が聞こえる。
覗くと、及川が片手でその女子の両腕を壁に抑え込んでいた。
女子
わー、怖い怖い…
及川澪月
及川澪月
それじゃあ、取りま〜す
もう片方の手で女の子のフードを取る。
その子はショートカットで顔は整っている。
取られるとクスクスと笑っていた。
及川が手を離す
???
???
そんな女子に無理矢理なんて
ダメじゃん〜
及川澪月
及川澪月
……ねぇ。
???
???
ん〜?
及川澪月
及川澪月
君…僕に会ったことある?
???
???
…さぁ?会ったことないんじゃない?私、お腹が空いたから食堂に行くのでばいば〜い
そう言うと、及川の横を通り抜け私達の方に近付いてくる。慌てて隣の列に入り買う人を装う。
御木真琴
御木真琴
何か面白そうな子!
千川綾梨
千川綾梨
それよりも不思議が多そう…
私達はそのままそっと及川とは逆の方に行き
他の場所も見に行く。その後、食堂でご飯を食べてる途中にトイレに行った。
千川綾梨
千川綾梨
早く戻らないと…
戻ろうと歩き出し、曲がり角を曲がる寸前、
ナツキの声がしたような気がして足を止める
千川綾梨
千川綾梨
……?
覗きたいところだが、この先は見通しがいいから覗くとスグにバレてしまう。
そう思い、その場で聞くことにした。
ナツキの声は通るのでよく聞こえたけど、
話している相手は通らず聞こえにくい。
内容を聞き取るのが精一杯だ。
???
成功者の報酬は分かるよね?
ナツキ
ナツキ
レンさんが開発したアレで何でも好きな願いを1つ叶える。ですよね?
???
そう、それじゃ、次も頼むよ。
ナツキ
ナツキ
勿論です、"Master"。
足音が遠ざかっていくのが分かると私は走りその後を追った。
曲がり角を曲がる度に次の曲がり角にその人の影が映っている。
追いかけ、入ったと思われる部屋に入ると、そこは食堂で時間的に皆が集まっていた。
千川綾梨
千川綾梨
誰……
このゲームにはあのレンって人の他にもう1人
"Master"という人がいる。
しかも、このゲームの参加者。
声はボソボソと話し性別が分からない。
喋り方からも性別が判断出来ない。
けど、1つ言えること。それは…
この参加者の中に裏切り者がいること。

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