彼女の頭から血が流れる
そして、その石を殴りつけた人がいた
複数人
3人ほどいた
でも、人数なんてどうでもよかった
ただ、
君を僕が守らないといけなかった
怒ってた。僕は
自分を見失うほど、
自分が誰か忘れるほど、
あの子を、君を、あなたの下の名前を、
僕は守るのに必死だった
乱れた呼吸を抑えようとした
人を殺したからにはさすがに罪が重すぎた
殴られて重い体を引きずりながらあなたの下の名前の前に行く
正直不安だった
あの血の量だ
死んでてもおかしくない
でもまだ生きているみたいで安心した
それに、僕は怒り狂ってたことだろう
あなたの下の名前のためと言いながら、
無我夢中で相手に殺しにかかった
もういいや
もともと死ぬ予定だったし、
君に嫌われたって、
あなたの下の名前に嫌われたって、別に、
いい、よね、?
あれ、なんで、
なんで嫌われたくない?
今まで誰に嫌われても
「まあ、いっか」で流せてたのに
なんで、出来なくなった、?
何が変わったんだろ
何が僕を狂わせてる?
死にたいって思ったし、
「一緒に死のう」とか言う君を
殺そうと思ったこともある
なのに、なんでなんだよ
殺したかった相手に
生きてて欲しい、嫌われたくない、
なんて、馬鹿かよ
そして、君は小さく息を吐いた音がした
そして、君の脈は失われていった
その瞬間、君は死んだんだって分かったよ
僕でも、
もうこの世界に君はいない
折れた白い薔薇を眺め、ぼーっとした
折れた白い薔薇の花言葉は確か、、
『純血を失い』
乾いたように笑う
君に似てしまったようだ
君の髪にかすみ草の髪留めを付ける
君は眠れるかな?
後悔なく、
そして、人殺しした僕を、
”許してくれるかな”?
あれ、やっぱおかしいな
なんで許されたいんだ?
もう死んだ人、
出会うわけなかった人、
もう、いない人なのに
君の熱が徐々に失われていく
さっき殴られた腹部が強く痛む
石で殴られた頭だってもう大丈夫じゃないかも
やっと死ねるや
君が言ったように、ふたりで死ねるね
いや、周りには僕が殺したのもいるけど、
君も、人殺したんだろ
親を殺したんだろ?
見たことあるよ。ニュースで
虐待されて辛かっただから親を殺した
そしたら、学校で虐められた
そういうことなんだろ
じゃあ、なおさらだ
”一緒に地獄に落ちよう”
もう大丈夫、大丈夫、もう、
1人にはしないから
君は最期までかすみ草で白い薔薇だったね
変な擬人法だよ
でも、そう思ったんだ
かすみ草の花言葉は【幸福・感謝】
君のお兄さんはそれを君に望んだんでしょ?
白い薔薇の花言葉
【心からの尊敬・無邪気・純潔・
私はあなたに相応しい・あなたの色に染まる】
そして、【約束を守る】
君はお兄さんからの【幸福】になれっていうのを
守ろうとして幸せになるために親を殺したんだろ?
約束を守ろうとしたんだろ
何も悪くないじゃんか、
悪いのは僕だけです
自分でもわかる、息が徐々に浅くなっているのが
なにこれ、ピンを取りに行ったら、殺し合い始まるとか、
狂いすぎだろ
なんだっけ?
青い薔薇の花言葉、
【夢叶う・神の祝福】
で、【奇跡】
君に出逢えたことが、
君と話せたことが
君と殺されたこととか
全部全部【奇跡】なんだって
もっと幸せになりたかったとか何度も思った
でも、こうじゃなきゃ出会えなかった
親に虐待されて、クラスメイトに虐められて、
死にたくなって屋上に行かなきゃああはならなかった
だから、僕にとっての【神からの祝福】は
君との出会いです
徐々に脈が薄れてく、血が出るのが分かる
じゃあ、今度こそ、
死にたい僕らの世界一幸せな恋だった。/完














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。