第36話

重岡side
772
2021/01/07 14:29
星を見て、他愛ない話して、流れ星見つけたりして、


気付けばみんな布団の中。





重岡
・・・あれ・・・





俺、みんなと話してる途中で寝ちゃったんやっけ・・?


寝ぼけながら目をこすって起き上がると、奥の部屋の電気がまだついていた。








重岡
・・濱ちゃん
濱田
しげ!びっくりさせんなやぁ・・



コーヒーの入ったコップ片手に、何やら考え事をしていた濱ちゃんに声をかけると、濱ちゃんはビクッと肩を揺らした。



濱田
なんか飲む?

すでに机の上に用意されていた俺のコップを持って、そう聞かれる。

重岡
・・俺が起きるって分かってたん?
濱田
え?あぁ、中途半端な時間に寝てしもたし、絶対また起きるやろうなって

濱ちゃんはそう言ってポットの方へ歩いて行った。





時計を見ると、夜中の2時。

いつ起きるか分からへん俺のために、濱ちゃん、ずっと待っててくれたんや。


重岡
濱ちゃん眠くないん?
はい、とお茶を渡しながら、「大丈夫やって」といつものように笑う濱ちゃん。








しばらくお互い無言で、





でも、いつもみたいな、なんもしゃべらんくてもいい雰囲気じゃなく、






濱田
・・たのしかった・・?


何か言わないと、そんな空気満載の濱ちゃんの声がした。


重岡
うん、楽しかった

いつもの空気なら言える、


後に続く、-短かったけど なんて言葉さえも飲みこむ。






濱田
なぁ、無理してへんか?


しばらくの間の後に聞かれた言葉は、濱ちゃんの本心のようで、

「へ?」と間の抜けた声を出してしまう。

濱田
いや、無理してへんかったらええねんけど、1日中動いて、しんどくならんかったかなって


そう言われて、首を横にふりながら、

まだ濱ちゃんの言葉が続いている間に、

重岡
なぁ

そう言った。







重岡
濱ちゃんは楽しかった?


「そりゃもちろん」と返す濱ちゃんに、「今日じゃなくて」と遮る。







重岡
俺とおって、濱ちゃんは楽しかった?










まるで音が無くなったかのように、周りが静かになった気がした。










俺らしくないかもしれへん、


でも、


聞きたいことがある。







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