星を見て、他愛ない話して、流れ星見つけたりして、
気付けばみんな布団の中。
俺、みんなと話してる途中で寝ちゃったんやっけ・・?
寝ぼけながら目をこすって起き上がると、奥の部屋の電気がまだついていた。
コーヒーの入ったコップ片手に、何やら考え事をしていた濱ちゃんに声をかけると、濱ちゃんはビクッと肩を揺らした。
すでに机の上に用意されていた俺のコップを持って、そう聞かれる。
濱ちゃんはそう言ってポットの方へ歩いて行った。
時計を見ると、夜中の2時。
いつ起きるか分からへん俺のために、濱ちゃん、ずっと待っててくれたんや。
はい、とお茶を渡しながら、「大丈夫やって」といつものように笑う濱ちゃん。
しばらくお互い無言で、
でも、いつもみたいな、なんもしゃべらんくてもいい雰囲気じゃなく、
何か言わないと、そんな空気満載の濱ちゃんの声がした。
いつもの空気なら言える、
後に続く、-短かったけど なんて言葉さえも飲みこむ。
しばらくの間の後に聞かれた言葉は、濱ちゃんの本心のようで、
「へ?」と間の抜けた声を出してしまう。
そう言われて、首を横にふりながら、
まだ濱ちゃんの言葉が続いている間に、
そう言った。
「そりゃもちろん」と返す濱ちゃんに、「今日じゃなくて」と遮る。
まるで音が無くなったかのように、周りが静かになった気がした。
俺らしくないかもしれへん、
でも、
聞きたいことがある。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!