夕方になったら、まちに待ったバーベキューを始めた。
しげは薬のおかげもあって、いつもよりたくさん食べて、淳太や照史を思いまわって、余った野菜を食べさせてた。
何気ない時間やけど、こんな時間がずっと続いて欲しいと思う。
永遠に、
終らないでほしい。
はしゃぎまわって、お風呂入って、疲れ切ってるけど、もう寝よっかなんて雰囲気にはもちろんならなくて、
7人、ベランダに出て星を眺めた。
毛布をかぶってマフラーもしてるしげに、何度も心配そうに聞く神ちゃん。
7人でこうやって星見るのって、なんか、前にもあったな。
もう誰が正しいのか、ここにいる誰も信用できひん(笑)
「でも」としげが真面目な顔になって、
思い出すのは全部、くだらないことばかりで。
やのに、
そんな話でも全然尽きひんねん。
当たり前とも思ってないほど、当たり前の毎日が
ほんまに大切で、特別だった。
いっつも、
その当たり前がなくなる直前に気付く。
ずっと、7人でいたい。
ずっと。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。