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第37話

濱田side
977
2021/03/23 06:06
重岡
俺とおって、濱ちゃんは楽しかった?






その問いに、一瞬驚いて、言葉を失った。




でも、何故か

濱田
ああ、もちろん


そう素直に頷いている自分がいた。






濱田
・・しげは悪戯ばっかするし、そりゃめっちゃ困ったこともあったし、お前めっちゃ頑固なところあるし
重岡
じゃあさ、今までで1番困った悪戯は!?
濱田
へ?


さっきとは変わって笑顔でそう聞いてくるしげに、

一瞬で思い浮かんだあの日のこと。






濱田
・・今やから言えるけど、そりゃ1番困ったんは望の時やで



しげの表情が変わったのを見て、「ごめん」そう言うと、



重岡
まだ、笑い話にはできへんなぁ

なんて苦笑する。










もう、何年前の話なんやろう。





しげの悪戯で、いや、しげだけが原因じゃなかったけど、

望が過呼吸になった日のこと。










7人で過ごした日々は、いろんな色で出来ていて、

楽しいことばかりじゃない。





思い出せば、あの頃の記憶だけ、



色は黒くて、







でも、

今はそれも、あたたかい思い出だと言える。








重岡
何年も経てば笑い話に出来ると思ってたけど、やっぱ無理やな。


苦笑いしながら言うしげは、


「でも、懐かしい」そう、口元を緩めた。






濱田
でも、確かにしげには困ったこともあったけど、しげのそういう所に、助けられてたで。






思い返せば、俺たちの生活の中心はしげで、

俺たちはしげを支えている。





でも、





濱田
ありがとうな、しげ。

ずっと、俺たちはしげに支えられてたんや



1番、


きっと1番俺らが支えた相手が、

俺らのことを1番笑顔にしてくれて、



希望になってくれて、




強くしてくれた。









濱田
しげ、俺らは、お前とおれて、幸せや










今までなら絶対に言えない言葉を、まっすぐに伝えると、


しげは、





重岡
それなら良かった




そう言って、くしゃっとえくぼを作って笑った。





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