第30話

中間side
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2020/01/10 15:03
桐山
今日は一段と寒いな
そう言いあいながら、久しぶりに全員でしげの病院へ向かった。





濱田
俺、プリン買って行く
売店の前で立ち止まって濱ちゃんがそう言うのはいつものこと。




重岡
あ、みんな!!

病室に向かってたら、廊下でしげとバッタリ。

点滴を引いて、壁伝いに歩いてるけど、顔は元気そうだった。


重岡
なぁ、めっちゃええ報告あんねん!

そう言われて「はよ!」って病室に急かされる。





しげはベッドに戻るよりも前に、俺が病室に前に置いていったリクエストボックスを僕らに見せた。



重岡
今調子ええからな、ちょっと遠出してもええって!
小瀧
ほんま!?
1番に反応した望はめっちゃ嬉しそう。



重岡
なー、どこ行く?リクエストいっぱいたまってるで!
リクエストボックス振って、楽しそうなしげを見てると、それだけでみんな笑顔になる。
神山
遠出ってどれくらいええん?
重岡
国内!
桐山
当たり前やろ!
しげのベッドの周りに椅子を集めて円になると、ワイワイと騒がしくなった。
流星
海は?
中間
寒いって!今何月や思ってんねん!
小瀧
温泉は?
神山
ええやん!あったまるし



案を次々と出すみんなを真ん中で見てるしげは、ほんまに嬉しそうだった。

桐山
しげは?どこに行きたい?
照史に聞かれて、しげはう~んと悩んでた。
重岡
行きたいところいっぱいあるねん、もうちょっと悩んでもええ?
そんな言葉に、騒いでた空気も落ち着いた。

濱田
せやな、今すぐ行くわけちゃうし、ちゃんと計画も立てたいし
神山
そうそう、焦らんでええやん
小瀧
せやった、なんか今すぐ行く気分やった
中間
アホや
響く笑い声は、いつもと同じ。






この時間が、幸せやな。

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