日曜日。
私は、いつものドーナッツ屋に来ていた。
私はドーナッツ屋の4人席に独り、腰を掛けて
いた。
今は一人だけど、後から和人と園風さんたちが
来るハズ。
そう。
今日は園風さんに女王の弱点を教えてもらい
女王を下ろす作戦を考えるんだ。
和人はそう言って「にやり」と笑う。
和人はそう言いながら、私が座っている向かいの
席に座り、笑う。
私がそう言うと、和人は目を丸くした。
まぁ、そうなるか。
私は和人に、園風さんたちが来ることを教えて
いない。
だから、席を空けないといけないんだけど
二人を引き剥がすわけにもいかないから...
和人はそう言うだけで、動かない。
私はそう言って、和人の隣に座った。
何かの間違いだろうか。
渚が隣に座っている。4人席でだぞ?
このドーナッツ屋、結構小さいから席の幅が
近くて...
渚が近い。
なんか、シャンプーの良い匂いするし。
地味に肩あたってるし。
いや、ね?
他の奴だったら「こんなこと、」とか思うかも
しれねぇけどな?
俺の場合、女馴れしないんだよ。
渚なら特に。
だって、“好きな奴”が自分から近くに来てくれたら
そうならねぇか?
自分から近くに行くなら全然平気なんだけどな...
渚はそう言って、俺を見る。
渚は俺より座高が低いから微妙に、上目遣いに
なっている。
てか、顔近い。
いやぁ、これ、暮斗に睨まれるやつだ。
抱き付いたら怒られたし。
完全に、渚と暮斗両想いだし。
「暮斗くんがいない今がチャンス!」
とか姉ちゃんが言ってたけど、そんな卑怯なこと
俺にはできねぇし。
やるなら、正々堂々とね?
まぁ、勝機はねぇけど。
は?「来た」って誰が?
えっ⁉園風と美野木...?
何で1軍が...
もしかして、渚が隣に座ったのって...
とんだ勘違い野郎だったな。俺。
まぁ、良い。
渚と暮斗の為に、全力を尽くそう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。