第7話

友達
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2019/01/11 15:08
潮目 渚
もう、大丈夫だから!
潮目 渚
ほら!皆、笑って!
私はそう言って笑った。

何も出来ない私には、そうするしかなかった。
葉連 暮斗
渚、来い。
潮目 渚
え?あ、うん...
暮斗に来てと言われたので、暮斗の方へ
歩いていく。

すると暮斗は、私の腕を引っ張って、教室の外へと
つれていかれた。

教室から、和人も出てくる。
桐島 和人
渚、ごめん。
...え?
桐島 和人
体育館裏に行かないで、暮斗
呼びに行った。
桐島 和人
「渚が危ない」って。
潮目 渚
そっか...
私はそう言って、少し笑う。
葉連 暮斗
...やめろ。
...え?
潮目 渚
な、何を?
私はまた、少し笑う。
葉連 暮斗
それだよ。
葉連 暮斗
その顔だよ!
葉連 暮斗
どうして笑うんだ?
葉連 暮斗
辛いくせに、どうして笑うんだ?
葉連 暮斗
昔からそうだ。
葉連 暮斗
辛い時ほど笑って、それを
隠そうとする。
葉連 暮斗
どうして俺たちを
頼ってくれないんだ?




















「どうして俺たちを頼ってくれないんだ?」



















その言葉が心に刺さる。


頼りたくない訳じゃない。

頼ってはいけないんだ。
潮目 渚
暮斗とか和人に迷惑かけちゃ駄目
だから...
葉連 暮斗
駄目じゃねぇよ!
...え?
葉連 暮斗
幼馴染みだろ?
葉連 暮斗
和人だって、友達だろ?
葉連 暮斗
先輩でも、先生でも、親でも
ないんだ。
葉連 暮斗
迷惑かけていいんだよ。
葉連 暮斗
我慢されるくらいなら、
迷惑かけてもらった方がいい。
葉連 暮斗
その方が、安心するんだ。
潮目 渚
でも...!
私がそう言うと、突然、暮斗が私に抱き付く。
葉連 暮斗
これで、二等分だ。
二等..分...
桐島 和人
いや、三等分だ!
和人はそう言って、私に抱き付く。
葉連 暮斗
苦しいのも、痛いのも、辛いのも
俺らで分け合えば、少なくなる。
葉連 暮斗
独りで抱え込むな。
潮目 渚
...
潮目 渚
迷惑、かけていいの...?
葉連 暮斗
ああ。
潮目 渚
三等分、していいの...?
葉連 暮斗
ああ。
潮目 渚
苦しくない?痛くない?辛くない?
葉連 暮斗
ああ。























迷惑かけていいんだ。

三等分していいんだ。

苦しくない。痛くない。辛くない。



















友達だもんね...




















潮目 渚
二人に...
潮目 渚
頼っちゃ、駄目かな...
葉連 暮斗
駄目じゃない。
桐島 和人
おうよ!いつでも頼ってくれ!





















ねぇ。神様。


どうやら私の周りには素敵な人がいたみたいです。

どうやら私は、幸せ者のようです。

恵まれ過ぎてて、逆に怖いです。






















もう、感謝でいっぱいです。






















潮目 渚
ありがとう...
私がそう言うと二人は、いつもと変わらない笑顔で
笑った。























心が、とても温かい。



















ありがとう。

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