私は、潮目渚。中学2年生。
スクールカースト3軍。
まぁ、4軍寄りの3軍だけど。
この人は、クラスメイトの桐島和人。
スクールカースト2軍。
かっこよくて、優しくて、面白い。
それに、文武両道。
だから、1軍の女子が和人を1軍に誘ってるんだけど
和人は、その誘いをいつも断る。
私が挨拶を返すと突然、教室が騒がしくなった。
顔を赤くしながら、大勢の前で大胆に告白した
彼女は、美野木莉乃。
スクールカースト1軍。
そして、そんな告白を申し訳なさそうに断ったのは
津久見空。
私と同じ3軍。
告白を断った津久見くんに野次を飛ばしたのは
真中鈴音。
スクールカースト1軍。
津久見くんを庇った彼は、安達寛。
同じく、スクールカースト1軍。
安達くんの意見について、机に座る女王に
聞いたのは、園風雨音。
彼女も、スクールカースト1軍。
そして、偉そうに足を組み、机に座る女王は
穂鷹愛梨。
スクールカースト1軍であり、このクラスの
玉座に居座る女王。
すると、教室の扉が開く音がした。
和人の挨拶に素っ気ない返事をした彼は
葉連暮斗。
スクールカースト2軍。
暮斗と私は、幼稚園からの幼馴染み。
普段は素っ気ないけど、とても優しくて、
強い。文武両道。そして、美形。
だから、1軍の女子が暮斗を1軍に誘う。
けど暮斗は、和人と同様にその誘いを断る。
女王が暮斗に挨拶をする。
けど暮斗は、それを無視して、私の前の
自分の席に座る。
私が暮斗にこっそりそう言うと、暮斗は、
と言って、少し笑った。
普段、暮斗は表情をあまり変えない。
けど、私と和人といる時は、笑ったり、怒ったり
する。泣きはしないけど。
なんかそれが、特別感があって、少しだけ嬉しい。
キーンコーンカーンコーン
始業の鐘だ。
今日も、地獄の時間が始まる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。