だいぶ前の話
2012年10月3日が入所日
まだ小学3年生で部活動も入れる学年じゃなくてほとんど毎日暇だった
とはいえ毎日習い事のサッカーがあった
あなたの住んでいるところは男子チームしかないから男子と一緒にやっていた
だから髪の毛もショートで背も高い方だったから男の子に間違えられてもおかしくはない容姿だった
そしてこの夏
合宿で都内の方に向かっていた
電車で向かっていた
20人弱で行っていてあなたと何人かの男子はドア付近の椅子に座っていた
そしたらおじいさんが電車に入ってきた
そこから優先席までは微妙に遠い
しかも少し混んでいたから移動するには少し大変
あなたが
「ここどうぞ!」
って言ったら「ありがとうね」
て言われて席を交換した
そしたらじっと顔を見られてあたりをぐるっと見回した
??)どこに行くのかい?
湯浅)これから、合宿で都内の方に向かいます
??)そうかそうか、いつ帰るの??
湯浅)えーと、2泊3日なので明後日??
男1)ちげーよ、明々後日だよ
湯浅)あ、そうです笑
??)よし、じゃあ君にはこれを渡そう
紙を受け取ると
ジャニー喜多川
電話番号 000-××××-××××
のみ書かれていた
この時は全然テレビなんて見ないでサッカーばっかりしていたからジャニー喜多川が誰かすら分からなかった
合宿を終え家に帰ってお母さんに紙を渡した
お母さん)あら、ジャニーズ事務所じゃない
お父さん)それって男子だけじゃないんだ
お母さん)あなた??
湯浅)ん?
お母さん)このジャニーズ事務所っていうのはね、たくさんの男の子が入ってるところでね、みんな歌ったり踊ったりするんだよ
湯浅)え、あなたがそれに入んなきゃいけないの??
お母さん)いや、あなた女の子だから入れないのよ
湯浅)え、でも電話してね?って言われたよ??
お母さん)じゃあ一応今から電話しよっか
湯浅)え、入れるの??
お母さん)入れるも何もあなたは女の子だから絶対入れないの
湯浅)へー
それで結構長電話してやっと終わったって思って聞いた
湯浅)入れるの??
お母さん)お母さんは女の子だから無理ですよ、っていっぱい言ったんだけどね、一応次のレッスンがあるからその時に見にくるだけ見にきてみてって言われたから行ってみよっか
湯浅)はーい
それでレッスン見に行った
やっぱり周りからの視線はすごい
「女?」
「男じゃん?」
「女ならありえないでしょ」
いや、女ですよ??
とか言いたかったけど人見知り発動で無理だった
そのあともジャニーさんからの電話は結構たくさんあったらしくて
それでお母さんも懲りて
お母さん)じゃあ娘にちゃんと聞いてみます
って言った
お母さん)どうしたい??
湯浅)んー、やりたい!!
お母さん)サッカーできなくなるかもしれないのよ??
湯浅)んー、両方やる!!
お母さん)それはできないかもよ??
湯浅)んー、まぁ頑張る!!
お母さん)じゃあ言っとくわね
そして
2012年10月3日
異例の「女の子入所」の日となった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!