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第2話

冷たい瀬戸くんの優しい顔
今まで、自分からジンクスを提案したことはもちろんない。

だけど、どうしても放っておけなかった。
凛乃先輩を見つめる、あの切ない横顔が頭から離れなくて……、どうにかしてあげたいと思った。

だから私の応援で、もしも、瀬戸くんと凛乃先輩の恋が上手くいくならって……。

───だけど、
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
バカにすんな
谷原 芽衣
谷原 芽衣
……え、
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
ジンクスって、アメリカでは
"縁起が悪い"って意味らしい。
"縁起が良いもの"として使う日本が
間違ってるってわけ
谷原 芽衣
谷原 芽衣
うそ……
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
そんなジンクスに願掛けするより
凛乃のことは自分で振り向かせる
私の気持ちは、瀬戸くんにとって迷惑でしかなかったのかもしれない。

凛乃先輩に対する態度とは、似ても似つかない冷めた態度と、冷たい言葉を残して、今度こそ私に背を向ける瀬戸くんにそれ以上何も言えなかった。
谷原 芽衣
谷原 芽衣
……縁起が悪い
谷原 芽衣
谷原 芽衣
ジンクスって、
そんな意味だったんだ
よく知りもしないくせに、当たり前に"縁起の良いもの"だと信じて疑わなかった自分が恥ずかしい。
小早川 紬
小早川 紬
ちょっと、芽衣?
まーだこんなところにいた!
ストレッチ始めるよ〜
谷原 芽衣
谷原 芽衣
あ、ごめん!すぐ行く!
私を呼びに来た紬の声に我に返れば、体育館の中では既にみんな各々にストレッチを始めている所だった。

まずは部活だ!
気持ち、切り替えなくちゃ。
***

───数日後。

部活が始まる前に、凛乃先輩に会いに来たらしい瀬戸くんの姿を目で追う。
上西 凛乃
上西 凛乃
一聖、また来たの?
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
部活前に凛乃の顔見ると
部活、頑張れるから
上西 凛乃
上西 凛乃
何それ。
あ!今日は帰りに迎え
来なくて平気だからね!
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
凛乃をひとりで帰せるわけないだろ?
俺が心配性なの、知ってるくせに
上西 凛乃
上西 凛乃
そんなこと言ってると
いつまで経っても
彼女できないんだからね?
あの日、たまたまふたりの会話を聞いてしまってから、凛乃先輩と瀬戸くんがふたりで話している場面をよく見かけるようになった。

それは、無意識のうちに気にしているからなのか。
それとも、偶然……なのか。
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
……凛乃だって、
俺の気持ち気づいてるくせに
ボソッと呟いた瀬戸くんの言葉は、凛乃先輩には届かない。……聞こえているけど、聞こえてないふりをしている。そんな感じだ。

凛乃先輩に会いに来る瀬戸くんは嬉しそうで、だけど切なそうで。

なんで私の胸がこんなにもキューッと軋むのか、誰か説明して欲しい。
上西 凛乃
上西 凛乃
今日の上西家の夜ご飯は、
一聖が好きな煮込みハンバーグだよ
お母さんからメッセージ来てた
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
まじで?やった
おばさんの煮込みハンバーグ
すげぇ美味いよな〜
上西 凛乃
上西 凛乃
ちょっと、
何で食べに来る気満々なのよ
こうして改めてふたりの仲の良さを目の当たりにすると、瀬戸くんの私に対する態度と、凛乃先輩に対する態度は、ほんと……別人みたいだ。

クールな瀬戸くんが、凛乃先輩の前でだけは優しく笑う。

───いつか、私にもあんな優しい顔で笑って欲しい。
***

【部活中】
上西 凛乃
上西 凛乃
というわけで!
野球部の練習試合へ応援に
行くことが決まりました!
チア部のキャプテンとして、みんなのまとめ役をしてくれている凛乃先輩から、野球部の応援に行く旨が知らされた。
上西 凛乃
上西 凛乃
練習試合は来週の日曜日。
応援当日まで時間が少ない事から
朝練を実施しようと思います
テキパキとみんなに指示を出す凛乃先輩は、優しくて明るくて、しっかりしてて……。

女の私から見ても、憧れずにはいられない人。
そりゃ瀬戸くんも、好きになるよね。
上西 凛乃
上西 凛乃
……芽衣?
どうかした?
谷原 芽衣
谷原 芽衣
……あ、いえっ。
朝練、頑張りましょう!
ついボーッとしていた私を心配してくれた凛乃先輩に、笑顔でガッツポーズを作ってみせれば、凛乃先輩も笑顔で頷いてくれる。

野球部の練習試合、か。
……瀬戸くんは、凛乃先輩が応援に行くことをきっと、すごく喜ぶんだろうな。