無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第13話

瀬戸くんの変化
瀬戸くんの頬についた土に気付いて、瀬戸くんに数歩近付いて手を伸ばしたところで、ハッと我に返る。
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
……谷原?
谷原 芽衣
谷原 芽衣
ごめん……
ほっぺたに、土が付いてて
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
……土?
あぁ、練習中に付いたのかも
谷原 芽衣
谷原 芽衣
練習、頑張った証だね!
練習着もたくさん汚れてる
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
親には洗濯大変だって
言われるんだけどな
笑いながら練習着に視線を向ける瀬戸くん。
その笑顔が、少し前に比べてずっとずっと優しい気がして、勝手に胸がキュンとときめく。

……あぁ、困った。

好きになればなるほど、瀬戸くんがかっこよく見えて……これじゃあ、心臓がもたないよ。
水上 桔平
水上 桔平
芽衣?
谷原 芽衣
谷原 芽衣
え……?
桔平の声で、一気に現実の世界へと戻ってきた私は、そう言えば桔平と帰るところだったことを思い出した。
水上 桔平
水上 桔平
もう紬ちゃん帰ったし
俺らも早く帰ろうぜ、腹減った〜
谷原 芽衣
谷原 芽衣
うそ!紬、もう帰ったの?
……ごめん、帰ろっか
谷原 芽衣
谷原 芽衣
瀬戸くん、じゃあね!
小さく瀬戸くんを振り返れば、瀬戸くんもまた小さく手を上げてくれた。

たったそれだけの事が、恋をしているととっても嬉しいことで、特別だったりするのはどうしてなんだろう。
水上 桔平
水上 桔平
今日、芽衣んちで飯食おうかな
谷原 芽衣
谷原 芽衣
そう言えば、
最近ずっと来てないね
水上 桔平
水上 桔平
おばさんの料理、
久しぶりに食べたいかも
そんなことを言いながら隣を歩く桔平の脳内は、ご飯一色。

花より団子って言葉は、もしや桔平のためにあるんじゃ?なんて心配する私を───。
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
……谷原っ、
谷原 芽衣
谷原 芽衣
───!
背中から聞こえた瀬戸くんの声に、ドクンッと心臓が大きく波打つ。振り返った先で目が合って、また……ドクンッと心臓が波打った。

なんて学習能力のない心臓なんだ。
谷原 芽衣
谷原 芽衣
……なに?
上西 凛乃
上西 凛乃
あれ?一聖、また来てる!
タイミングよく出てきた凛乃先輩に、瀬戸くんの意識は私から凛乃先輩へと移ってしまったのが分かった。

仕方ないとは思いながらも、やっぱり少し胸は痛むな。
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
ごめん、やっぱなんでもない。
……凛乃、帰ろう
谷原 芽衣
谷原 芽衣
っ、
上西 凛乃
上西 凛乃
え?……もしかして
私、タイミング悪かった?
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
いや、ちょうど
話し終わったとこだったから
私の横を通り抜けて、振り向くことなく帰っていく瀬戸くんと。

その後ろを、私たちを振り向きながら申し訳なさそうについていく凛乃先輩。

……このふたりもきっと、黄金比率だ。
***

【side一聖】
上西 凛乃
上西 凛乃
何?さっきからずーっと
難しい顔して黙っちゃって
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
……いや、別に?
───帰り道。

隣には凛乃がいて、一日の中で俺が一番楽しみにしているはずの時間なのに。

なのに、なんで。
俺の頭の中は、別のことでいっぱいなんだろう。
上西 凛乃
上西 凛乃
嘘だ〜。
本当は気になってるくせに
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
……っ、何が?
上西 凛乃
上西 凛乃
さっきのふたりのこと!
芽衣と一緒にいた
あのイケメンくんは誰?
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
……確か、隣のクラスのヤツ
隣のクラスの……水上 桔平だっけ。
谷原とどんな関係なんだ?

わざわざ放課後に迎えに来るくらいだから、ただの友達ってことはないだろうし。

じゃあ、なんだ?
上西 凛乃
上西 凛乃
付き合ってるのかな〜?
芽衣、いつも笑顔で愛嬌あるから
可愛いって男子から人気あるしね
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
……っ、
……脳裏に焼き付く、谷原と水上の並んだ姿。
ふたりの関係性を考えると、なぜか胸が少しザワついた。
上西 凛乃
上西 凛乃
すっごい、気になるって顔。
……気になるんだ?芽衣のこと?
瀬戸 一聖
瀬戸 一聖
……バカ言うなよ。
俺が好きなのは凛乃だから
上西 凛乃
上西 凛乃
ま、……そのうち分かるよ。
本当の"好き"って気持ちが
まるで、俺の凛乃に対する気持ちが本当の"好き"じゃないと言われたような気がして腹立たしかったけれど───。

なぜか、頭の中でパッと広がった谷原の笑顔が、そんな俺のイライラを鎮めてくれた。