第3話

本当の
1,852
2021/03/08 17:03
ジェヒョクの部屋に着いた


整頓されていて居心地の良い部屋だ








ジェヒョクと俺はベットに腰掛ける








「アサヒ、なんでもいいから俺に話して。
 俺はアサヒの親友だから」








親友...か
その2文字が余計に俺の気持ちに深く刻み込まれてしまう感じがして、痛い


親友であるお前に
俺が好きだと言ったことで関係が変わるかもしれないから




痛い
いたい
イタイ






「...ジェヒョク」



「うん」














「俺は、ジェヒョクのことが...ずっと好きだっ
 たんだ」



















ジェヒョクの顔を見ずに言ってしまった
顔を見るのが怖い

ジェヒョクはきっと
俺のことを気持ち悪いと思っている









ずっと親友だと思っていたやつが
まさかこんな感情を抱いていたなんて











ジェヒョクからの返事が来ないその時間は
とてもとても長く感じて
その時ばかりはジェヒョクと一緒にいるのが居心地が悪かった














俯いていた俺だったが
返事が待てず、ジェヒョクを見る























ジェヒョクは




顔を赤くしていた









目を見張った
自分の想像していたリアクションではなかった

















「ジェ、ジェヒョ...」


「アサヒ!」


















ジェヒョクが俺の声を遮って俺の名前を呼ぶ






ジェヒョクの顔は赤いままで
目は少し、潤んでいた








ジェヒョクは俺を優しく包み込んだ
ジェヒョクの体温が全身に伝わっていく感じがした



不安と恐れでいっぱいだった俺の気持ちを取り払うかのように












「アサヒ...俺も、アサヒが好きだよ
 友達としてじゃなくて...アサヒに、恋しちゃ
 ってるんだ」










ジェヒョクの顔は見えないが


きっといつもの明るい優しい笑顔なのか



























そうか
本当のポーカーフェイスは










ジェヒョクだったのか













 

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