第4話

No.4
16,400
2021/07/01 01:20
上鳴電気
み〜なせっ!







共有スペースにあるソファーでくつろいでいると、上鳴くんが私を呼んだ。







あなた

なに?上鳴くん

上鳴電気
いっこだけ聞きてえことあんだけどさ、いい?
あなた

別にいいけど...








なんだろ。







上鳴電気
水瀬ってさ、爆豪のこと好きだろ?
あなた

え、あ、うん

上鳴電気
それってさ、爆豪に結構言う?
あなた

え、うーん...まあ、たまにかな








唐突だな、急にどうしたよ。





上鳴くんは私の答えに、しばらくなにかを考える素振りを見せる。







切島鋭児郎
お、なに話してんだ?
瀬呂範太
俺らも混〜ぜて







そのうち切島くんと瀬呂くんも混じってきて、なぜか私の隣に腰掛ける。





上鳴くんの隣じゃないのね...。







上鳴電気
よし、水瀬
あなた

うん?

上鳴電気
もっと愛情表現しなきゃだな!!
あなた

...はい?








なにを言っているのでしょうか。







瀬呂範太
お、上鳴の恋愛講座だ







なんじゃそりゃ。







上鳴電気
水瀬。今度からは会う度に好きっつってみ?爆豪も言ってくれるかもよ?
あなた

え、うーん








会う度にか。





なんかガラじゃないんだよなぁ...。





というか、







あなた

私、爆豪くんに好きって言ってもらえたこと、一度もないかも

瀬呂範太
え、まじ?







瀬呂くんが驚いたように言った。





そうなのだ、私は付き合ってから、爆豪くんに好きだと言われたことがない。





私は、その...たまに言うけど。





え、これ恋人としてちょっとどうなのかな。





よくわからないけど。







切島鋭児郎
そりゃダメだな〜
瀬呂範太
いっその事、爆豪に言ってみたら?好きって言ってって
あなた

え、無理だよ

瀬呂範太
なんで?
あなた

だって、恥ずかしいじゃん...








あのプライドの塊にそんなこと言っても、素直に言ってくれるとは思えないんだよね、悪いけど。







切島鋭児郎
でもあいつ、結構素直だぜ?
あなた

そう?

切島鋭児郎
それに水瀬のこと大好きだと思うしな
あなた








そうなのかな。





なんか不安になってきた。





だって、愛情表現とか全くしてくれないから、私ばっかり好きみたいなんだもの。







あなた

...

瀬呂範太
もうさ、素直に言っちゃったほうがいいと思うぜ?







不安になっていることがわかったのか、瀬呂くんがそう言って私の顔を覗き込んでくる。







瀬呂範太
そーやってどっちかがモヤモヤしてても解決しねえんだしさ。どっちかが素直に言っちゃった方が、少しは気が楽になるんじゃね?
あなた

...そっか。そう、だよね








瀬呂くんの言う通りだ。





言ってみなくちゃ、始まらない。







あなた

私、頑張ってみる

切島鋭児郎
おう!
上鳴電気
なんかあったら言えよな
瀬呂範太
頑張れよ〜







意気込んだ私を見て、3人はそう言って笑った。

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