第24話

No.24
9,021
2021/09/12 15:03
あなた

かつきくん...








思わず呟く。





私を抱きしめているのは、勝己くんだった。





彼は私を自分の胸板に押しつけたまま、男の人を鋭い目付きで睨む。







爆豪勝己
テメェ、こいつになにしやがった







私は思わずびくりと肩を揺らす。





怒ってる。





いつものようにキレているわけじゃない。





彼は本気で怒ると、声がすごく静かになるのだ。





いつもだったらギャンギャン吠えてるだけだが、今は違う。





本気で怒っている時の声だった。







爆豪勝己
俺の女ナンパして泣かせといて、ただで済むと思ってんのかよ







ボボボッ、と音が聞こえる。





見れば、勝己くんが威嚇するように、片方の掌で爆破を起こしていた。







爆豪勝己
今すぐここから去るか、俺にぶっ殺されるか、どっちか選びやがれ
モブ
ひ、っ!す、すいませんでしたっ!!
爆豪勝己
二度とこいつに触ンな。次こいつになんかしたら今度こそぶっ殺す







勝己くんはそう言って、一度口を閉じる。





それからボンッ、と先程よりも大きな爆破を起こすと、ギッ、と相手を睨んで再び口を開いた。







爆豪勝己
さっさと失せろ、クソモブが







そのひと言で、男の人はまるで恐ろしいものを見たように震え上がり、慌てて走り去っていった。





その瞬間、勝己くんが私を強く抱きしめてくる。







爆豪勝己
なんも、されてねえか
あなた

う、ん...。だいじょう

爆豪勝己
あなた
あなた

...少しだけ、こわかった








名前を呼ばれて言葉を遮られ、私は正直にこわかったことを打ちあける。





彼はその言葉を聞くと、よりいっそう抱きしめる力を強めてきた。







爆豪勝己
...悪かった
あなた

え、?

爆豪勝己
俺が、テメェをひとりにさせてなかったら...
あなた

ち、違う!勝己くんのせいじゃない!








思わず声を上げる。





だって...だって、勝己くんは、







あなた

勝己くんは、私を助けてくれたじゃない...








そう言うと、勝己くんの目が見開かれた。





私はそんな彼に微笑み、頬に手を当てる。







あなた

ありがとう、勝己くん。私を助けてくれて








そう言って笑うと、彼はきゅ、と唇を引き結ぶ。





それから、私をもう一度強く抱きしめた。







爆豪勝己
...よかった







ぽつりと呟かれたひと言を聞いて、私も彼を抱きしめ返す。





不器用な人だけれど、ちゃんと私のことを守ってくれるこの人は、私にとって最高のヒーローだ。

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