帰り道。
友達と別れて1人。
(寒っ、コンビニでも行こうかな。)
ピーン。
いらっしゃいませー
(ミルクティーがいいな)
120円ですー
ピーン。
ありがとうございましたー
ゴクッ。
(ぷはぁー)
温かいな。
それは、私の冷えたからだに染み渡り、
温もりを与える。
しばらく余韻に浸っていた。
「みさと?」
私を呼ぶ声。
振り向くと、、、
(けんた?健太だよね?)
幼なじみの健太がいた。
私達は、小学校で離れ離れになった。
健太が転校したのだ。
私達は兄弟みたいに仲が良かった。
(なんでここに?)
「引っ越した。俺、転校生だから。」
(て、、ん、こ,,,)
ギュッ。
(えっ、ちょっまっ、、、)
一瞬だった。
何が起きたか分からなかった。
突然だった。
抱きしめられた。
「会いたかった。ずっと。」
(う、ん。)
「ずっとーーーーーーーーー
好きだった。」
パラッ。
雪だ。
私は答えなかった。
答えられなかった。
あまりにも辛すぎた。
想いが真っ直ぐすぎて。
(雪だね。)
全部、雪のせいだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。