第4話

Vol.3 歓声
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2021/09/04 11:58
〜???side〜





校舎から男子バレーボール部が使用する第2体育館へと繋がるコンクリートの廊下を歩く。





にしても、今日は散々な1日やった。



転校初日から告白三昧ざんまい



まぁ、はたからすれば贅沢な悩みなんかもしらへんけどな。



これだけは言わせて欲しい。



教室と体育館裏、校舎裏何回も行き来して足が棒になりそうなんや。





正直に言うと自分の顔がいい方だとはそれなりに自覚しとる。



昔から可愛い、美人言われて告白されとったら誰だって自覚はするもんや。



せやけども!



噂を流されるほどの顔は持ち合わせとらん。



噂で期待されて実物を見て幻滅げんめつさせんのはホンマに嫌やから。



やから、噂は流さんといて欲しい。










体育館に近付くにつれ、シューズが床とこすれる音。



ボールが床に打ち付けられる音。



女子の黄色い歓声が鼓膜こまくを振るわせた。





...............ん?



女子の歓声______?





自分の思考に疑問を持ち、ふと体育館に視線を向ける。



するとそこには目を疑う光景が広がっていた。





幾人もの女子生徒が体育館を囲っているのだ。





え、嘘やろ?



この光景、久しぶりに見たんやけど。



中学振りやろか。





あたしは中学の時、宮城県の北川第一中学校、女子バレーボール部に所属していた。



その時に男子バレーボール部に"及川徹"という男がいた。



そいつがまぁ、女の子に愛想あいそを振り撒きまくる。



ので、ギャラリーには常に女子生徒がいた。



あたしは女バレで隣のコートを使用していたのでその光景をよくの当たりにしていた。





高2までいた音駒高校の男バレでマネをしていた時は部員の希望あって基本応援は控えてもらっていた。





ので、この光景は中学振りということになる。









まぁ、部活の邪魔にならへんかったらええけど。

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