〜侑side〜
一通りの基礎練を終わらせてスパイク練に入る。
俺はレシーブによるAパスをスパイカーが打ちやすいように宙にセットする。
トスをスパイカーが気持ちのいい音を立てながらコートに打ち付ける。
─────────そんな時だった。
打ち付けられたボールがバウンドして体育館サイドのドア付近にいた女子生徒に向かって飛んだ。
誰もが"当たる"。
そう錯覚した。
が、しかし。
パシッ_______。
ボールは女子生徒には当たらず誰かの掌に当たり、ポンポンと軽く床を跳ねた。
その誰かは女子生徒の左肩に右手を置き、左手を守るように前に出して掌にボールを当てて勢いを殺したのだった。
その誰かとは............
侑「あなた...さん.........?」
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暫く、水を打ったように館内が静まり返った。
それを気にも留めていない彼女は女子生徒に話し掛けた。
『大丈夫?怪我あらへん?』
女子生徒「はっ、はひッッッ!!!ありがとうございます!!!////」
女子生徒はあなたさんの美人さかイケメンな行動に頬を紅潮させてお礼を言った。
黒須「おぉ、あなた。やっと来たか」
監督があなたさんに向かって声を発した。
『遅ぉなってすみません、呼び出しくらっとって...』
「あはは...」と苦笑する彼女。
やっぱり、間違えない。
あなたさんや。
『あれ、君...確か、宮侑くんよな。ユース合宿んおった...稲荷崎やったんやな』
と、俺が惚れた無邪気な笑顔を向けてくれた。
覚えとってくれた...
本物のあなたさんや...
ここにおるってことは転校生の正体はあなたさんっちゅうことんなる。
黒須「あなた、こっち来。信介、集合掛け」
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小笠原あなた、プロフィール
名前 ︰ 小笠原あなた
学年 ︰ 3年
身長 ︰ 168cm
体重 ︰ 58kg
髪型 : 焦香色で長さは胸下程。
少し波打ってる。
前髪は6:4て右に流してる。
瞳 : 瑠璃色
好きな食べ物 ︰ 麻婆豆腐
悩み ︰ 稲荷崎3年にツボが浅いと言われたこと
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。