あれから4日過ぎた頃
ほっくんはメンバー皆に電話を掛けていた
遺書も残してるのに何故電話をするんだろう 、きっとみんなが大好きなんだ
私はさっき優奈に電話して 楽にしてたら大丈夫だよ 何ていつもと変わらない会話を交わした
ほっくんの服は 決して安くはないTシャツにミント色のズボン
私は控えめな花柄のワンピース
お互い手を繋いでソファに座る
バラエティ番組を見て夜までを過ごした
松村 「 あなた 、怖くない ? 」
あなた 「 うん 。全く 」
来世も勿論一緒だよね ? なんてほっくんらしい事を言われた 。
松村 「 最後にしたい事は ? 俺は無難にハグ 」
なんて言って ぎゅ っと抱き着いてきたほっくん
あなた 「 偶然だね 、私もハグしたかった 」
これまでに無いくらい強く抱き締め合う私達
松村 「 最初で最後のお医者さんごっこみたいだったけど 、注射はやめとこう 」
痛いのが嫌いな私を不安に思って助けてくれた 。
少量の水と同時に飲んだ薬
ほっくんは優しく私の手を握っていた
握り返せば最期に振り絞った力で抱きしめられる
満月が私達を照らして
意識が遠のいた
最期の記憶はほっくんの優しい笑顔だった
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。