第8話

__ seven
1,324
2020/11/28 17:12


松村 「 おはよう 」




今日はお昼から仕事なのか隣でスマホを弄るほっくん




あなた 「 ん ... 今日お昼何食べたい ? 」



松村 「 昼から今日外ロケなの 」



あなた 「 分かった 、夜は ? 」



松村 「 あー ... 今日は送り迎えできそうにない 」




最近ドラマ撮影が始まって夜の帰りが遅い時が増えた




学校の送り迎えも減って 優奈は心配してくれていた





松村 「 心配しないで 、あなたしか好きじゃない 。ね ? 」




先日やっと届いたペアリングを左手の薬指につけて微笑むほっくん




あなた 「 テレビに出る時は小指に付け直すくせに 」




松村 「 それは違うじゃん 、これはあなたとお揃いのだからそんな事しないよ 」




あなた 「 約束だよほっくん 」




松村 「 約束 ! 」





ほっくんの送り迎えが無いだけでこんなに違うものかと思うほど体調が優れない




優奈 「 ねえ帰りなよ 」




放課後 食堂で夕食中の優奈に言われた




あなた 「 嫌だよ だってほっくん居ないもん 」





美玲 「 あなたちゃん ... その指輪 、北斗とお揃いだよね なにか隠してる ? 」





光のない瞳で私を見詰める美玲さん





背筋が凍る程強過ぎる視線から目が離せない





優奈 「 あなた 、行くよ 」





優奈に半ば無理矢理掴まれた手と頭の中で浮かぶ美玲さんの鋭い目付き





あなた 「 優奈 、私じゃ だめだったのかな 」




優奈 「 今更何言ってるの ? 松村くんはあなたが大好きなんだよ分かる ? 」




どれだけ愛してるんだろう 自分で自分の首を絞める程好きだったなんて思わなかった




心中も悪ふざけだと思っていた





北斗
北斗
あなた 、今から帰る
ぼーっとしながら帰る道に 通知音だけが鳴り響いて覗けば




今から帰る なんて言われて急いで家に入る




恐らく家を出た後に来たであろう夕刊を取り軽く目を通せば大きく取り上げられた私達二人の写真






Twitter を 開けば 松村北斗 熱愛 年の差 現行犯 犯罪者予備軍 10歳差 などで溢れかえっていて





ガチャ と扉の音が聞こえダッシュで胸に飛び込む




外の空気で冷えたほっくんのコート




無言で撫で続けてくれる優しい大きな手




松村 「 痛くしないから 、楽にしててね あなた 」





⠀⠀⠀⠀⠀

プリ小説オーディオドラマ