その頃、トッププレデターから逃げる為
あなたは必死に走っていた。
あなたは不思議に思い
成みの中から気配のする方を覗き込む。
そこには、小さな白髪の狼男がいた。
あなたは身体をその少年位まで縮めると
少年の元まで歩いて行く。
あなたがシディの背中をさすっている時だった。
茂みからガサガサッと音が鳴りゴブリンが現れた。
あなたは金色の波紋を一つ出しながら警戒する。
しかしゴブリンはそれに怒らず
左手で此方に来い、と合図をする。
2人は顔を見合わせ頷くと
そのゴブリンの手を取り逃げたのだった。
ーーーーー10年後ーーーーー
俺の名はシディ!俺には愛すべき家族がいる‼︎
建築が得意なゴブイチ兄さん‼︎
真面目な性格で、俺達を纏め上げてくれるんだ‼︎
食べるの大好き、ゴブフタ兄さん‼︎
少しだけドジな所もあるけど、凄く優しい兄だ‼︎
女の子に大人気のゴブミツ兄さん‼︎
光る物が大好きでお洒落なんだ‼︎
山で捨てられた俺達を拾ってくれた
強くて尊敬できる父さん、武者小路ゴブアツ‼︎
3年前まではゴブリンの母さんもいたけど…
母さんは人間の使う
車という乗り物に轢かれて死んでしまった…。
そして…。
ゴブリンが一つ目の怪物に追いかけられている時
緑色の髪の少年のような子が
怪物に向かって飛んでいく。
彼が怪物に向けて右手を向けると
彼の後ろから金色の波紋が5つ表れた。
そして、その中から鎖が出てくると
怪物を拘束し滅多刺しにした。
俺と共に父さんに拾われたあなた‼︎
年齢も性別も分からないが大切な家族なんだ‼︎
そしてそれに加えて強くて頭も良い‼︎
それにあなたは俺の姉さんみたいな
兄さんみたいな人でもあるんだ‼︎
あなたとシディはそう言って笑いあった。
そう言って5人は仲良く食事を楽しんだ。
そして、食事が終わると
あなたが懐から木の実を取り出す。
そう言ってあなたとシディ達は別れた。
あなたは毎日行っている見廻りを始める為に
何処が危険かを明るい内に探し
その夜はそこを見廻る様にしていた。
あなたはそう言いそこの木にもたれかかった。
そしてそれが、3人の出会いだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!