そう言ってあなたの頭に自分のタオルをバサッとかけて上からくしゃくしゃと頭を撫でてくるジェミン
あなたががしっとジェミンの腕を掴んで撫でる手を止めさせた
と、ジェミンの首襟に鼻を近づけた。
あなたが近づいた瞬間、ふわっとあなたのバニラのシャンプーの匂いがして、ドキドキが倍増した。
ずるいよ
こんなこと、不意打ちでしてくるなんて
俺の匂い、覚えててくれたの?
そういうことで、いいんだよね?
なにそれ
やばいニヤける
赤く火照りそうな顔ばれてないといいけど
そう思いながら返事した
嬉しい
可愛すぎるよ
なんなの、もう、
ジェノ達にもこんなこと言っちゃうのかな
だめだよ
俺だけにして
顎に手を当てて一生懸命に考えるあなたがものすごく愛おしい
もしあなたと付き合って、同棲して、結婚したら、 毎日こんな会話できるんだよね
幸せすぎるな
「好き」って言葉に、勝手に胸がドクンってなる
ずるい
ずるすぎるあなたは
俺の気持ち、弄んでるみたい
ジェミンは歩く足を止めてあなたの目をじっと見つめた
ジェミンが止まったので、あなたも「ん?」と足を止めてジェミンの方を見る
つい、そう言った
「俺も、あなたが好き」って意味だけど
「俺も」ってのが切ないけど
今だけは彼氏気分で
あなたが目を細めて微笑んだ
ピコンッ
スマホの通知音
マークはベッドの上のスマホを手にとって通知を見た
あなただ
あっちから連絡とかヤッカン珍しいんじゃない?ㅎㅎ
思わずニヤける
そっか、もう一週間経ったんだ
マークは「ふー」と深呼吸すると既読をつけて返信した
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。