第40話

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2023/01/24 13:57
チクッ
チョンロ
チョンロ
、、?
あれ、?
俺なんで、
今一瞬イラッてしたんだろ

目の前であなたヌナに頭を撫でられるチソンイ
いつもは大人しくて冷静なチソンだけど、ヌナの前だとものすごく取り乱してる。いっつも
うっわあんなに顔赤くしちゃってさ

ヌナもヌナだよ
チソンイのこと好きならともかく、
、、多分ヌナはヌナの幼馴染みのロンジュン先輩?のことが好き
なんだと思う。ただの勘だけど

それなのにあんなにチソンイにベタベタして
俺にはしてくれないのに

なんで?

なんか、むかつく

俺だって


俺だってその気になればヌナのこと奪えるのに

チソンイの恋、応援してたはずなのに
今日はなんだか変だ

俺はふっと視線をそらして教室の窓からどんよりとした雲が広がる空を見上げた
キム・ルア
、。、、
コーチが用事で先に帰ったし、先週は他校との練習試合が重なりまくって休みが無かったということもあって
今日の練習は早めに切り上げることになった。
ジェノも今日は塾でいないし
俺は挨拶をおえると更衣室に戻って汗ばんだユニフォームから制服に着替えた。
部室から出るとからっと乾いた風が汗で濡れた髪を撫でる。
水筒もなくなったので自販機に向かってミネラルウォーターのボタンを押そうとして手を止めた。
ジェミン
ジェミン
、、あなたの分も買ってこーかな
今日は別に一緒に帰る約束してないけど
うん
会いたい
二人で帰りたい

バスケ部っていっつも何時に終わってるっけ。
俺は100円玉を追加してミネラルウォーターのボトルを2本手に持つと体育館へ向かった。

ボールがバウンドする音と、キュッキュッと床とスポーツシューズが擦れる音。

体育館の入り口から中をのぞいた。


、、あ、いた

青色のアンカーを着てパスを受け取るあなた
無駄の無いドリブルと共に敵陣を華麗に避けながらゴールへ近づく。

ひとつに結われた長い髪
汗が伝う白い肌


俺、
まじで好きだな
あなたのこと

シュッ..ドンッ!!!!

あなたの手から放たれたボールが綺麗に弧を描きながらゴールに吸い込まれる
ジェミン
ジェミン
お、ナイスシュート
ピーーーーッ!!!!

とゲーム終了のホイッスルがなって、後輩らしき子からタオルを渡されてベンチへはけていくあなた
と、こちらに気づいたようだ
(なまえ)
あなた
あ、ジェミナ!
試合中に死ぬほど走り回って、息もきれきれなのに俺を見つけたとたん笑顔で走りよってきた。

そんな姿に、
そんなあなたに
俺のめは釘付けになる。
ジェミン
ジェミン
おつかれ
(なまえ)
あなた
ジェミナ今日早いね
ジェミン
ジェミン
コーチ早く帰ったからさ。
あなたあとどれくらいで終わりそ?
(なまえ)
あなた
あともう1ゲームしたら終わり
ジェミン
ジェミン
そっか。じゃあ裏門で待ってる
(なまえ)
あなた
え、、いいの?
ジェミナ早く帰りたくない?
早く帰りたいよ

でも

それよりずっとあなたと一緒に帰りたい

そっちの気持ちの方が100倍強い

あなたのこと、一番に優先したくなるんだよ
ジェミン
ジェミン
アイゴーあなたと帰りたいのっ
(なまえ)
あなた
ㅎㅎそうなの?ㅎ
おっけじゃあ終わったらダッシュで行くね!
ジェミン
ジェミン
ん。頑張れ
(なまえ)
あなた
はぁーい
女子1
あなた先輩~~始まりますよ~
(なまえ)
あなた
今行くね~~!
じゃあまた後で!
ジェミン
ジェミン
ん。
そう言ってチームメイトのもとへ走っていくあなた

あ、水今渡せばよかったㅎ

まぁいーや

俺はもう一度あなたの後ろ姿を見て、裏門へ向かった

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