第154話

お礼、先輩からのアドバイス
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2021/04/07 19:00
轟 焦凍
はたけ・・・他にも何かお礼をしたいんだが?
あなた
いや、いいよ。 
ほらお昼 奢ってくれたし。

そう言うと焦凍はあからさまに不服な顔をして
轟 焦凍
……。

ジーッと見つめてくる。

あなた
……。
こいつ何か言うまでこうしてるつもりなのか?
あなた
わかった、うん、わかった。
あなた
1つ 焦凍にお願いがある。
轟 焦凍
何だ?できる限りの事はする。


一息ついて
あなた
君にどんなことがあったかはわからない。
だけど…左を使って欲しい。
「左」

その単語を聞いた瞬間 顔色が変わって
轟 焦凍
何言ってんだ?
お前に、お前、なんか…に何、が…わかるんだ?
声がうわずり、震えていた。
あなた
わからない。 
焦凍が今まで何があったのか知らないよ。
あなた
でもね、たぶん……。

たぶん




……たぶん。



轟 焦凍
たぶん何なんだよ!

小さく声を荒らげた焦凍を見て



言わなくちゃ……




うちと同じなんだよ」

その一言が出てこない。


言うのが怖いんだ。

今までの関係が壊れそうで。


でも、
あなた
同、じなの、うちと。
轟 焦凍
はァ?同じって…お前。
言わないと

君には早く気付いて欲しいから。
あなた
誰かが植え付けた力でもそれは自分の力なんだよ。


───カタッ


食べ終わったカツ丼のお盆を持って
あなた
先輩からのアドバイス。
そう言って席を立った。

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