チャポンッ
バスクリンが入って白く濁っているお湯を掬いながらそう呟いた。
勝己にクナイを渡してから光己さんにお風呂だと呼ばれ今に至る。
クナイを渡したのは
ほんとにただの願掛けであって
おまじないで
御守りになればいいなって
そんなくだらない想いで渡した。
実際にあのクナイが凄い力があるわけじゃない。
何の変哲もないただのクナイだ。
やっぱり尾獣達はお見通しか。
暁が狙ってるっていうのに
万全な戦闘態勢を取れてなく
のうのうと勝己の家に住んでいて。
でも何も言えなくて
願掛けとかおまじない、御守りにしか
賭けることしか出来ない自分が嫌になってた。
でも こうやって身近に
励まして一緒に闘ってくれるひとがいるから
1人じゃないって思えて
安心してこの身を預けられる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。