そして、先輩は卒業して行った。
「勝手に卒業させないで?…w」
卦度、今日は体育館に来るようだ。
影「……もう少し、隣にいて欲しかった…ホソッ…」
多分、聞こえてると思うけど先輩は俺の吐いた言葉を無視し、手を引いた。
「影山ッ!!……私、烏野で待ってる」
にし、と突然言い出したことは高校の名前。
…確かな烏野は………
影「小さな巨人………」
「そ!……烏野……私行きたかったところなんだー」
嬉しそうに微笑む先輩を前に、疑問がひとつ。
「私ね、……自分で選んだの、この道を」
俺の手を引きながら呟いた。
振り向いた先輩は俺の手を握ってニッコリと笑顔を作る。
影「…………先ぱ…金「そいつと関わんないほうがいいですよ」……」
突然の声にビクッとなり振り向く。
その声の主は金田一だった。
「あ、金田一じゃん!」
俺の時とは違い、明るい声の先輩は金田一に寄っていく。
金「其奴置いていきましょう。」
「えー、そんな連れないこと言わないさ…って、手なんか引いてどこ行くの?」
ズンズンと、進んでいく金田一は先輩を引いてその場を去った。
影「……………は?」
1人つぶやくには多分遅すぎるくらい時間が掛かった。
え?……金田一も…同じ…なのか?
頭でふと考える。
確かに噂とか
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。