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2022/01/09

第115話

114 一緒の世界
彼女を見上げれば、顔は真っ赤になっていて目には涙を溜めている。
手を頬に添えれば、涙が流れ落ちてきた。
どうしたんですか?
ミナ
ミナ
だって…明日には帰ってくやん。
急に寂しくなった。
そう思ったんなら、ちゃんと
言葉にして下さい。
流石に何度もされると…
ミナ
ミナ
…嫌やった?
今以上に涙を流す彼女。


待って下さい。
嫌じゃないんですよ。
けど、なんというかですね…
これは、うん。
久々過ぎて多分なんですけど、欲?
流石に、さっき付き合ったばかりなのに欲まで出てこられると…
いや、嫌ではないんですが…
とりあえず、泣き止んで下さい。
彼女をとりあえず落ち着かせなければと思い、頭を撫でてみたり、涙を拭ったりと思いつく限りの事をする。
寂しい思いをさせてしまう事
申し訳なく思ってます。
その分、努力し続けていきます。
そう言えば、やっと笑ってくれた。
ミナ
ミナ
努力なんかせんでいいよ。
そのままの葵がいいから。
ちょっと意地悪で、でも優しくて
私が泣けば困って、泣き止まそうと
必死になってくれて…
仕事に一生懸命で、社員の人達の事
1番に考えてて…
そんな葵が好きやから…
そのままでおってくれやな嫌。
前もそうだったが、嬉しいのに恥ずかしい。
彼女の顔を見れずに目を逸らしてしまう。
ミナ
ミナ
恥ずかしいと、絶対に
目を逸らすとこも好き。
…そんな事言わなくて大丈夫です。
とてつもなく恥ずかしいので。


目を逸らした先に、見覚えのあるキャンドルホルダーが置いてあった。


…届いていたんだ。


その一点をぼーっと見つめてしまう。
ミナ
ミナ
あれ、去年の誕生日に届いた。
…自分から離れてったくせに
送られてきて、なんやねんってなった。
何も言えなかった。
あのキャンドルホルダーを送った後、自分でも中途半端な事をしたと後悔していた。
突き離し切れなかった自分に腹が立った。
そして、戒めるように刺青タトゥーを増やし、今では腰や胸にまで彫ってある。
ミナ
ミナ
けど…
あれがあったから頑張ってこれた。
もう二度と会えんって思ったけど…
葵が自分の「世界」で頑張ってるって
言い聞かして私も頑張った。
彼女は、ゆっくりと私の頭を撫でる。
ミナ
ミナ
葵とは「住む世界」が違うけど
それでいい。
違うのが当たり前って
思えるようになったから。
それに私と居る時は、一緒の「世界」に
居ってくれとるから…
今まで、散々「住む世界」が違うと言われ、なぜ違うと言われるのか答えを探した事もあった。
けど、分からなくて結局手離したり見捨ててきた。


彼女の言葉で…
いや、彼女の存在で答えが出たような気がする。


私の「住んでいる世界」にあいた大きな穴は、少しずつとじていく。