その後私は金木にヒナミを頼んで家に戻った
今日はもう何もしたくない
なにも…
太郎はほんとに迷わず駆逐してた…
悪いのは喰種だけじゃないのに。
ただいま
……。
あなた?
どうした
何でもない
なんでもないようには見えないぞ
少し気分が悪いの
だから夜ご飯は出前とかとって
わかった
今日出かけたか?
え?
思いもよらない質問に私は顔を上げた
いや、今日あなたに似た人を見かけてな
どこで?
20区にある本屋の近くだ
そこって。
ううん
行ってないよ
そうか。なら俺の見間違いか
駆逐…したの。
あぁ。
なんとも思わなかった
あぁ。
そう。
私はベットの中に潜った
あなた、もし違うと言ったら
喰種だって人間と同じだよ
同じなんだよ。
そうか。
初めて太郎と気まづい空気になった
今までこんなこと無かったから
おやすみ
あぁ。
おやすみ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!