ー玲sideー
コンコン…と扉をノックするが返事がない。
扉をそっと開けるとスースーと小さな寝息を立てて気持ち良さそうに寝ている瑠依が目に入った。
おでこにそっと手を当てる。
辛そうだな…。
ぁ、確か冷蔵庫に冷えピタあったよね。
もう一度キッチンに向かい、冷蔵庫から冷えピタを取り出す。
びっくりしちゃったかな。
まだ寝てるしお粥はラップして置いとこ…
ー瑠依sideー
頭痛いッ…
顔を横に向けると隣では玲が寝ていた。
あれ…冷えピタ、?
看病してくれたんだ…お粥とリンゴのうさぎさんも…。
玲の冷たい手がおでこにくる。
気持ちいい…
ラップを剥がし、スプーンを口元まで運んでくれる。
そう言って嬉しそうに胸を撫で下ろす。
こうやって熱を出してても側にいて笑ってくれる。
楽しいな…♪
そう言って笑ってくれる。
そして再び目を閉じた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。