ーーーーーーフッ。。。
着いたところは、周り一面、
霧のようなもので真っ白なところだった。
・・・しかも妙に蒸し暑い。
何も見えない。
・・・夜なのに霧っていうのも
なんか変なんだけど…
呼びかけてみる。
・・・・・・・・・。
返事がない。
どうやらはぐれてしまったようだ。。。
やっぱり大丈夫じゃなかったな~・・・
実践でいきなり使おうとかしなくてよかった。
これだと何も見えないから、
すぐプチッと殺られるだろうし。。。
ーーーーーーそう、考えたその時。
・・・真っ白な霧の中。何かの気配がしたのだ。
二つ~三つくらい、か?
とりあえず夜で周りは霧(?)だけど、
自分の足元くらいは見える。
気配も分かるので、僕に奇襲など無理なのだ。
・・・問題は別にある。
それは…
武器を携帯していないのだ。
いや、元から持ってなかったんだけど…
じゃあ今までどうやって戦ってきたんだ
と言う人がいるかもしれないが、
実は、「ムーンで」である。
・・・・・・。
「・・・はぁ?」じゃないよ?
思った?思ったよね?(←ウザイ)
ーーーーーーコホン。
実は、「ムーンで」というのは、
ムーンが武器になるーーー
もとい、ムーンが武器に
姿を”変えられる”、からである。
あ、ちなみに種類は双剣ね。しかも小さめ。
・・・え、なんでって?
いくら男の姿になってるからと言っても、
僕が出せるパワーなんて知れたもの。
身体強化すれば…まぁ、
両手剣も扱えはするんだけど、やっぱ重いし…
そもそも、大きめの武器はムーンいわく、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ーーーーーと、いうことみたい。
ま、いいんだけどね~
双剣の方が確かに使い勝手良いし。
ーーーーーーと、その時。
ーーーーーーーーーごそ…
感じていた気配の一つがわずかに身じろぎした。
即座に姿勢を低く構え、音がしたほうを見据える僕。
・・・・・・。
あら?
動いたソレは、いつまで経っても身構えた
あなたの方へは、やって来なかったのだ。
しかも、他の気配も同じ。
恐る恐る、気配がしたほうに行ってみる。
ーーーーーーそこには。
🐵🐵🐵
・・・驚き過ぎて、後半は言葉に詰まってしまった。
しばらくして、やっとこさ言葉を発する僕。。。
そう!
あったのは、なんと温泉だったのだ!
しかも、気配こと数匹の猿in…
思わず脱力し、はぁー・・・とため息をつく僕。
七つの大罪の世界に来たのに…
まさかニホンザルを見る日が来るとは
思わなかったよ、モンキー君。。。
おい。
なんだこのやり取り…
そんなことを考えているうちに、
いつの間にか、周りの霧は晴れていた。
見渡してみると、
周りは大きな岩々に囲まれたーーー
ーーーあちこちで湯煙がたつ、温泉が広がっていた。
白い霧は、温泉の湯煙だったのだろう。
あの温泉独特の、硫黄のにおいは全くない。
だから温泉だとは
全く分からなかったのだろう・・・
・・・ホント、まさか温泉があるとはね…
異世界は何でもアリか。。。
・・・温泉が目の前にあるのだ。
入りたくなってきてしまった。。。
誰かに言い訳をしているような独り言を
呟きながら、いそいそと服を脱いでいく。
いや~こんなこともあろうかと、
持っててよかった特大タオル~♪
インベントリ
もちろん無限収納にね!
あのウッカリ神、気前だけは良かったから
すんなりとくれたんだよね…
まぁ、感謝ということで。
いや~しかし・・・
もしいたら絶対…
😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒
😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒😒
・・・てな感じになる。これは絶対。
鼻血を出しながら言い出すのが、
目に見えるようだ・・・
一応、僕女なのにね。
・・・姿は今、男だけどさ。
そんなことを考えながら、湯船に浸かる。
ーーーパシャン。。。
生き返る~~~・・・
少し熱めのお湯だけど、
これぐらいの温度が好きだから問題ない。
久しぶりの温泉に、鼻歌がこぼれる。
猿たちも逃げることなく、
気持ちよさそうに浸かっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しばらく湯船に浸かり、猿たちを眺めて
癒されたので、温泉から出た僕。
・・・・・。
出たはいいんだけど・・・
温泉から出たのはいいんだけどね…すっかり
忘れていたムーンのことを思い出したのだよ。
んで、こない&どこにいるのか分からない。
ポジティブシンキング♪
・・・まぁ死んではないだろうし。
ああいうキャラのやつに限って、
なかなか死なないと相場は決まっている。
真っ暗な夜空を見上げ、独りごちる僕。
・・・・・。
やっぱりムーンがいないと調子が狂うなぁ…
考えるのも面倒くさくなってきた。
明日だ明日。。。
ぐぅ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーー朝。
うーん、と考える僕。
ーーーーーーえ?ムーンはともかく、
僕は今、何をしているのかって?
・・・・まぁ大体分かると思うが。
ムーンを迎えに行くか行かないかで
悩みに悩んでる途中。
温泉の猿たちに入らないか誘われた(ような気がした)ので、湯船に浸かっている真っ最中ですとも!
ーーーえ?探しに行けよ!って?
馬鹿言っちゃあいけない。
そんな面倒くさいことするわけないっつーの。
主人失格?何とでも言いなさい、僕は怒らないーーー
ーーーって、何してんだかね…
ーーーと呟き、立ち上がったその時だった。
何かの気配が…近づいている?
やや遠くから、複数の気配を感じたのだ。
目的は僕ーーーーーーじゃないよな…?
チラッ。。。
🐵🐵🐵♨️
・・・・・・あぁ、温泉のお客さんか。
ムーンを探すことはどこに行ったのやら。
そう思い直し、再び湯船に浸かる僕なのだった。。。
・・・・・この時。
僕は完全に頭から抜け落ちていた。
ここは、七つの大罪の世界だということをーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーバサッ。。。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。