♪キーンコーンカーンコーン
平日の朝…。
教室に響きわたるチャイムの音…
薮「はい!」
「今日の授業はここまで。」
クラス〈やっと終わったぁ〉
薮「お疲れ様(笑)」
授業が終わって、生徒に「お疲れ様」と瞳が消えるようにくしゃっと笑いかける薮先生…
私は、薮先生に恋をしている…。
けど、ちゃんと分かってる。
自分の立場ぐらい。
あなた『…薮先生…、』
薮「おっ、!」
「高杉…?どうした?」
あなた『今日の授業に出た□□の部分よく分かんなくて…』
私は、生徒で…、
薮「おっ、どれどれ?」
「先生に、見せてごらん?」
薮先生は、先生…。
あなた『はい…、』
『ここなんですけど…』
だから、自分の思いなんて伝えたりはしない。
けど…だけど、、
生徒として、少しでも、、
少しでも良いから記憶に残していて欲しい。
私は、今年の春卒業する。
だから、出来るだけ、!
薮先生の記憶に残るように…
薮「あぁ、!」
「ここは、今日の中では一番難しい所だな、」
あなた『そうなんですか?』
薮「そうなんだよ、」
「でも、高杉は半分以上解けてるぞ!」
あなた『本当ですか?』
薮「そう、!」
「ここの、__の所をこうやって書くと…」
あなた『あっ、!』
『分かった!…こうですよね?』
薮「そうそう!」
「やっぱり、高杉は頭が良いな(笑)」
あなた『そうですか?』
薮「かなり、頭が良いと思うぞ?(笑)」
「理解が早いし…、」
あなた『…?』
薮先生は、途中まで言って話を止めた。
そして、何を考えてるのかニヤニヤしながら教壇の机に右手を付いて教室の生徒を見渡しながらこう言った…
薮『高杉は、真面目だからなっ!』
『他の生徒とは大違いだなっ!』←大声
クラス「っ?!」
あなた『薮先生?!』
薮「だって、本当のことじゃん?」
「高杉は、真面目だから分かんない所があったら直ぐに聞きに来るじゃん。」
あなた『まぁ…。』
ただ、何かしらの理由をつけて薮先生に話しかけたいだけなんだけど…
薮「直ぐに、聞きに来るからテストの時に困らないんだよ。」
「このクラスでそれを出来てるのは高杉だけだな(笑)」
クラス〈薮先生!!!〉
薮「なんだよっ!(笑)」
「事実だろ?(笑)」
クラス〈っー!〉
薮「じゃあ、高杉、?」
あなた『はい?』
薮「もう、分からない所は無いな?」
あなた『あっ、はい、』
薮「OK!」
「じゃあ、高杉今日もお疲れ!」グシャグシャ
「今日もお疲れ!」なんて言いながら私の頭を撫でて教室を出ていく薮先生…。
撫でると言うよりはぐしゃぐしゃにされたの方が表現には合っているかもしれない。
けど、、
あなた『っ~//』
『薮…先生…//』
私から、してみれば撫でられたようなもの。
薮先生から、撫でられた感覚が残ってる…。
薮先生…
先生…好きになってもいいですか?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。