志麻side
はっとして目が覚める。
今何時だ...?
時計を見ると午前3時。
まだ寝れたなと思いながら、どうせ二度寝なんてできないと思い体を起こす。
小学生の時の夢を見ていた。
家ではお兄ちゃんだからと言われ我慢させられ、意見を言ったらお前には関係ないと言われ殴られてきた。
そんな俺の過去は人には言えない。
言ったら絶対に、気持ち悪いって言われて離れていく。
今まで信用してきた奴ら何人かに話したが気持ち悪いって言われて、全員離れていった。
だから、もう俺の過去は言わないようにした。
過去のことは考えないようにした。
でも街で親子連れを見ていると思ってしまう。
オレモアイサレタカッタ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!