第7話

秘密
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2020/12/31 06:42
月島「ねぇ」

桂木「んー?」

月島「さっき、大丈夫だった?」

山口「一瞬びっくりしたよね。」

桂木「庇ってくれたから平気だよ。ツッキーこそ平気だった?」

月島「余裕でしょ」

山口「さすがツッキー!」


そんな話をしながら家へとついて

私は家へと入る。

冷蔵庫を開けると、朝山口が作ってくれたのか

温めれば食べれるように夕食になっている。

私は元々家庭科は得意ではない。

だから本当に感謝してる。

そう思いながらあたためてると

チャイムがなった。

出ると、ツッキーがいた。

ツッキーはリビングに来て腰を下ろす。

少しピリピリしてるなぁ…

さっきの一年コンビのせいかな


桂木「ツッキー大丈夫?」

月島「イライラするんだよ。無駄にアツい奴って·····。
王様も、さっきのチビも。·····たかが、部活だろ。」


明光さんのこと…か。

ほんと、ツッキーってブラコンだよなぁ…っと思いながら

私は食事を運びながら





桂木「自分のことを、この世の誰とも比べてはいけない。

それは自分自身を侮辱する行為だ。」




私はそう呟いた。


桂木「比べることももちろんいいと思う。
でも、私は思うよ。才能があるやつとないやつで比べたら
キリがないと思う。ほら、私もツッキーも身に染みてわかるでしよ?」


ある日才能を目の前にした時

ある日絶望を目の前にした時

取る行動は『逃げ』

怖いもん、辛いもん

俯いてるツッキーの手を取って私は笑う。


桂木「ツッキーは偉いよ。逃げてもまたちゃんと戻ってきてる。
それがどんな思いでここにいるかはわからないけど
私とは違うから。ちゃんと立ち向かってる」


そう言うとツッキーはそっぽ向く。


月島「君だって立ち向かってるよ。選手じゃなかったとしてもちゃんと」

桂木「そうかな?なら嬉しいかな」


コート上の王様も、ジャンプ力やばい子も

2人ともすごい才能の持ち主だ。


桂木「山口が朝作ってくれたご飯食べよ!夕飯まだでしょ?」

月島「うん」


ツッキーはきっと、絶対強くなる気がする。

私はそう信じてる。

山口と話した。

ちゃんと見守るんだ














私は

ツッキーに声をかけて

お風呂へと行く。

服を下ろして

再び気持ちが沈む









私は昔バレーをしていた。

事故によって

日常生活を送るには問題はないが

バレーができるほど

足と手が動くことはもうない。

あの日、1人の男の子を庇った。

きっとこれを知ったら

彼は再び絶望すんだろう。

絶対にバレてはいけない














明光「蛍!」

月島「兄ちゃん…」

桂木「絶対、怪我なんてさせない」


キキィー(車のブレーキ音)

ドンっ(ぶつかる音)


山口「桂木!!ツッキー!!」







あの日の前後の記憶を

ツッキーはないと言う。

だから…

あの性格、頭の良さ、冷静さ

絶対にバレーで役に立つから…

この傷は、その証。

ツッキー頑張って


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