第44話

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2018/11/07 13:09
冬真
冬真
よし、そんじゃー俺行くわ!
あなた

え?もう行くの?
来たばっかりじゃん

日村
日村
そーだよぉ
来たばっかりじゃん
冬真
冬真
ちょっと行きたいところあんの

じゃああなたまた後でな
気をつけて帰れよ


ポンポン






私の頭を軽く叩く冬真

まったく子供扱いして
あなた

うちの兄弟はなんでみんな
私の事子供扱いするんでしょーね…

日村
日村
そんなの当たり前じゃん
あなたっちが可愛いからだよ
あなた

またまた〜
日村さんそゆこと言うんだから

日村
日村
そーいえば、聞いたか??

あいつ、俺のボート勝手に使って
美咲ちゃん乗せたんだよ!


やっぱり夏が人を変えるんだよな〜



え??



日村さんのボートで2人で??

結婚式の日のことかな…
日村
日村
夕方だったみたいだから、
夕日が沈むのでも
見に行ったんじゃないかなー??


あいつ、教えないけど
秘密のスポットがあるって

前に自慢してたからな笑
あなた

へ、へえー
そうなんですね…

日村
日村
くぅ〜!
やっぱり湘南の男は
ロマンチストが多いねぇ〜!




それからすぐに別のお客さんがきて
そのタイミングでお店を出た







そのあとはどこをどう歩いたのかは
分からない




高校の時に見つけた、岩陰に出来た
窪みのところに着いていた
あなた

え、ここ!
懐かしい!

まだあったんだー




悩んだり、ケンカしたり(特に夏向と)
落ち込んだりした時に

よくここに来てた




ここは潮が満ちると近くまで波が来る

その波音を聴いていると心が
洗われる気がして気に入っていた
あなた

私、バカだな……

あの夕日が綺麗な場所、
私達だけのものだと思ってたハハ









これは数年前


私は冬真とくだらないことで
大げんかして家を飛び出した




いつもならごめん!って
追いかけてくる冬真も
今回は追いかけてこなくて…


このまま仲直り出来ないのかなって
落ち込んでた。
あなた

はぁ…
私バカだなぁ

夏向
夏向
なーに、しけた顔してんだよ。

いつまでも泣いてたら顔ふくれんぞ
あなた

からかいに来たなら帰ってよ

夏向
夏向
行くぞ
あなた

やだ、帰りたくない

夏向
夏向
いーから
つべこべ言わずに着いてこい



夏向のあとを付いていくと、
ボートに乗せられ…



そこから少し行ったところで
夏向
夏向
ほら、あれ見てみろよ。


どう見ても寝てるキューピットに
しか見えないだろ
あなた

うーん、そうかな…

見せたかったのってこれ?





夏向は何も言わずボートを進めはじめた。


もしかして怒らせちゃったかな、、


せっかく連れてきてもらったのに、
嫌なやつって思われちゃったかな…





いつもめったにケンカしない冬真と
ケンカしたせいか
悪い方にしか考えられなかった



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