第55話

13
1,426
2018/11/08 15:35
夕方、早めに切り上げた私は
SeaSonsの厨房にいた



使っていいかの許可はとってない…
夏向がしこみに来る時までに
完成させなきゃ




本当はこの缶ずめのデミソースは
使って欲しくない…

でも、今の夏向の気持ちのままなら
美味しいオムバーグは作れない




私がいえたことじゃないのに
そう思った
あなた

よし、
まずはこのデミソースだけあっためる



少しとろみが出てきたところで
味を見る
あなた

んー、何か足りないんだよなー
トマト?玉ねぎ?




とりあえず思ったものを入れてみる
ただ適当に入れたら、材料を
無駄にすることになるから

極力無駄が出ないように…
あなた

ん、やっぱり
トマトと玉ねぎで味がさらに増した!!

んーでも前の味と比べると
やっぱり違うんだよねー



―――――――――――――――――――――――――――――
美咲
美咲
楓さん!
私、嘘ついてました!


好きなんです!
千秋さんのことが、好きです!


諦めなきゃかなって思ってました
楓さん綺麗だし勝てるところ
ないなって…


でも、ひとつだけありました!
千秋さんを思う気持ちは、
誰にも負けません!


楓さんの手の中に、さっき頂いた
ブレスレットをおく
美咲
美咲
楓さんの恋は応援できません
正々堂々と戦います


これからは、友達ではなくて
ライバルでお願いします!


楓さんに伝えたいことを
しっかり伝えると


来た道をもどる


次第に足は早くなる
もういないのは分かってるけど


どうしても、戻りたかった
千秋
千秋
美咲!



え、、
待っててくれた??


もう辺りは真っ暗、もう閉園している





それなのに、、
夜の水族館に忍び込み


警備員に追われ、自然に千秋さんとの
距離も近づいていた



やっとの思いで、水族館から逃げ出した
時は何もかも吹き飛んで
2人で笑いを零した
千秋
千秋
はー!
久しぶりに走った
美咲
美咲
グルルルルルル
千秋
千秋
フハハハ

ねぇ知ってた
楽しくて幸せな気持ちの時って
脳からアドレナリンが出て、
お腹が空かないんだって



なんだー、楽しんでたのは
俺だけか〜



最初は驚いたけど、
だんだん冗談だってことがわかり


でも、千秋さんが楽しんでくれてたのが
とっても嬉しかった





やっぱり、気持ちはハッキリさせた方がいい
その方が思い切り楽しめるし

たくさん喜べる
美咲
美咲
千秋さん、また連れてってください
千秋
千秋
そりゃもちろん
いつでもお付き合いしますニコッ

プリ小説オーディオドラマ