第41話

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2018/11/07 09:14
美咲
美咲
ちょっと待って!
美咲
美咲
え!わぁ綺麗!


そこには海一面に広がる夕日


こんなに綺麗な夕日を、
今まで見たことがあっただろうか
美咲
美咲
あ、もしかして見せたかったのって
これのこと??
夏向
夏向
こっから見る夕日が
いちばん綺麗なんだよ
美咲
美咲
たしかに、すっごい綺麗!



すると、夏向の指が私の頬に当たる
夏向
夏向
落ちた
美咲
美咲
どうも…


きっとどじょうすくいのメークが
残っていたんだろう




なんだもう、びっくりしたぁ
夏向
夏向
今日のお前さー、


かっこよかったんじゃん
美咲
美咲
…!
ありがと、ございます


ここからの景色、それに夏向のかっこいい

最高のご褒美いただきました!!
夏向
夏向
前に、言われて嬉しい言葉聞いただろ
美咲
美咲
うん、別にないんでしょー
夏向
夏向
いや

これ最高、元気出た…
美咲
美咲
それってもしかして、
あなたちゃん?
夏向
夏向
…さぁな
美咲
美咲
なんで、その言葉?
美味しい、ではないんだ
夏向
夏向
美味いってのは味だけだろ

最高、元気出たってのは
その人の心を変えることだ

だから、そっちの方がいい
美咲
美咲
なるほどねぇ…




夏向side




この時、俺は忘れていた


柄にもなくこいつを元気づけようとして









この場所が
どんなに大切な場所だったかを








忘れてしまっていた
千秋
千秋
あなた、SeaSonsに戻ってこない?
あなた

え、どうして??

千秋
千秋
今日の料理、パイ包み焼き

お客さんの女性から好評だったんだよ
SeaSonsの商品ではないって言ったら
ガッカリしてた
あなた

そう、なんだ…

千秋
千秋
俺は、あなたが柴崎家の人間だから
とかそういう理由じゃなくて

あなたと一緒に働きたいから
言ってるんだよ


もし、あなたが嫌だって言うなら
止めないけど。
SeaSonsで作るあなたの料理は
きっとたくさんの人を笑顔にすると
思うんだよね
あなた

うん、嬉しい…
でも、、
今の職場もすごく大切なの

始めたばっかり投げ出したくない…

千秋
千秋
そっか、、あなたらしいねニコッ



そう言って微笑む秋兄は
それ以上なにも言ってこなかった





私の料理が、お客さんに好評だったのは
すごく嬉しい


だけど、それは夏向もいたし
周りの料理が美味しかったからじゃないの






私の料理は、通じないんだ
それを思い知ってるんだ




だから、自分に自信が無い
こんな気持ちのまま働くのは嫌だ


だからSeaSonsにはいれない…







こんな弱い自分大っ嫌い

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