第17話

「 バレー部 」
2,912
2023/01/03 15:17

side:YOU









体育館を覗いていると



あの隣の男子が気がついて近づいてくる












赤葦「 東久邇さん?」




『 あ、… 』




赤葦「 来てくれたんですね。堂宮さんのところはもう行ってきたんですか?」




『 うんまあ、… 楽器は難しかった、』




赤葦「 あ、もしかしてあの不協和音 … 」
















彼は何かを察したらしい、



それ以上は言われなかった。















赤葦「 どうぞ中に入って見学していってくださいって ……… 」




木兎「 あかーし!この子誰だぁ???!」




『 …… (引き) 』















扉を開けてくれて中に入ろうとしたら



目の前にドアップに人の顔があって



咄嗟に引いた。… 近いのに声デカ、












赤葦「 木兎さん、怖がってるんで離れてもらっていいですか?」




木兎「 あ、すまんすまん 」




『 … いえ、』













そう言われて素直に顔が下がっていく



… 顔が上に戻って行ったぞ、



この人どんだけ背高いんだよ。



てかさっきぼくとさん、って言わなかった?



もしかしてこの人が前に言ってた人 …














赤葦「 あ、この人はバレー部の主将木兎さんです 」




木兎「 木兎光太郎だ!お前は誰だ!」




『 … 東久邇あなたです、』




赤葦「 今日うちのクラスに転校してきた転校生やんです。入る部活を考えているらしくて見学してもらってもいいですか?」




木兎「 おー、入部してくれるのか!??もちろんいいぞ!!」




赤葦「 いや見学ですけど 」













全く噛み合ってない会話、これ需要あんのか?



なんて思っていると他の人たちが集まってくる












雀田「 え!マネージャーの子??」




赤葦「 まだ希望段階ですけど 」




白福「 うれしい、仲良くしよ 」




『 え、あ、はい 』












突然手を握られ呆然とする



あの人たち … 私を見てもなんの反応もない。



クラスの人たちや見学に行った部活動の人たちには



ヤンキーとか怖いとか言ってきたのに。












『 … 何も、言わないんですか?』




白福「 え?」




『 ヤンキーとか、怖い、とか … ないんですか?』














不思議すぎて聞いてしまった



でも手を握ってる先輩はキョトンと私を見てきて













白福「 別に、思わないけど?」




『 … そうですか 』




雀田「 だって赤葦と仲良いんだから悪い子じゃないって信じてるもん!」




『 信じてる …?』




雀田「 そうだよ、2年なのにうちの副主将の赤葦京治くん 」




木兎「 あかーしはうちの自慢のセッターなんだぞ!!」




赤葦「 やめてくださいそういうの 」




木兎「 いいじゃんかー 」













そう言いながらも褒められた彼は少しだけ嬉しそうだ



そうして思った。



ここは、今までのところとは違うなと












木兎「 あ、俺もあなたのこと怖いとは思わないぞ
どっちかと言えばカッコいいと思う!その金髪も、サングラスも耳につけてるピアスも!全部似合ってるっ!!」




『 !?』














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